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SPルールマッチ・単色デッキ限定戦
特殊ルール下で戦うSPルールマッチ。
第4回となる今回は「単色デッキ限定戦」。 使えるのは完全な単色デッキのみとなる。
第2回では、より制限の厳しい「火文明限定戦」が開催されていた。 アドバンテージを取るカードが非常に少ない火文明同士の戦いは、予想に反して奥深いものとなった。 今回の単色限定戦も、前回同様に面白い環境になってくれると良いのだが……。
この手の記事のお約束だが、イベント開始前の一プレイヤーの考察にすぎないことに注意。 始まってみたら「全然違うじゃんか!」という展開も大いにあり得ますので、その際はどうかご寛恕を。
ちなみに先日お題箱を設置したところ、早速以下のようなメッセージをいただいた。 それまではイベント前に記事を書こうとは考えていなかったのだが、これを貰って予定を変更した。 寄稿、ありがとうございます。
今回の環境予想
今回の単色ルールの下馬評は既に大方固まっている。 皆さんお察しの通り、《クリスタル・ツヴァイランサー》と《ダイヤモンド・ブリザード》を使ったデッキの二強環境である。
この2枚は通常ルールにおいても、並み外れたカードパワーで環境トップを突っ走るガチカードである。 どちらのデッキも元から単色に近い構成を取るため、ランクマッチで使われている構築を少しだけ弄れば、今回のSPルールで使うことが出来る。
この2デッキ同士の相性はというと、打点生成速度で勝るツヴァイがブリザードに有利である。 ブリザードの強みはコントロール相手にも手札が尽きないことだが、この2デッキはどちらもビートダウン。 殴り合いになれば手札は十分にあるため、G・ゼロで《ツヴァイランサー》をどかどか出せるツヴァイが優位に立てる。 ランクマッチではタッチで積んだ《スパーク》《アポカリ》のおかげで強引に勝ちを拾えることがあるが、単色限定構築だとそれができないため、ツヴァイとブリザードの相性差はさらに広がる。
これを踏まえた今回のデッキ分布予想は、
ツヴァイ:ブリザード:その他 = 65:20:15
としたい。 その他は、資産に余裕が無いプレイヤーと、意地でもツヴァイブリザードを使わないという反骨精神に溢れたプレイヤー。
この記事の着地点
正直、楽に勝ちたいならツヴァイを使うのが最適解になると思う。 ツヴァイ未所持でブリザードがあるならブリザードでも良い。
しかし、それではせっかくのSPルールマッチがただのランクマッチと化してしまって面白くない。 相手が使ってくるデッキがほぼ分かっているのなら、それにメタを張った構築に挑戦したくなるのがヒトの性というものである。 そこでここでは、あえて鉄板の2デッキを使わず、ツヴァイとブリザードを倒しに行く構築を考えてみたい。 特に、一番使用率が高いであろうツヴァイに五分以上を確保することが第一目標である。
環境予想
デッキを組む前に、ツヴァイ・ブリザードがメインの単色デッキ環境について考察・予想しておく。
キルターンは5~6ターン
ブロッカー無し・ノートリガーの場合の平均キルターンは、 ブリザードが5ターン、ツヴァイが6ターンである。
かなりの高速環境になることを覚悟しよう。
一度出したカードはどかされない
単色限定構築だと、各文明のグッドスタッフカードを積んだ除去コントロールは組めない。 ましてや、今回の本命、ツヴァイ・ブリザードには除去カードが殆ど入らない。 したがって、出したカードは基本的にどかされないだろう。 除去さえされなければ強い、というカードはこのルールで輝く。
ただし、メタが回ってくると、ツヴァイは《スパイラル・スライダー》、ブリザードは《氷結ハンマー》などの軽量除去を積み始める可能性もある。
ブロッカー破壊がほぼ無い
ビートダウン御用達の《無頼勇騎ウインドアックス》、コントロール御用達の《腐敗勇騎ガレック》は、レギュレーション上採用できない。 速攻に良く入っている《火炎流星弾》も、赤単速攻が少ないと思われるため、見かけることはあまり無いだろう。 青・緑のブロッカー除去は、ツヴァイの《クリスタル・パラディン》くらい。 《パラディン》も殴り合いだと腐るので、採用率はそれほど高くなさそう。
ブロッカー破壊が無いため、普段よりはブロッカーが使いやすい環境になると思う。 《ツヴァイ》《ブリザード》《進化の化身》らの高パワーアタッカーこそ対処できないが、 小型リキピ・フェアリーが殴ってくるのを止められるブロッカーは、割と便利なように思える。
《スパーク》が無い
ビートミラーの悩みの種、トリガー《スパーク》は、白単以外には採用できない。 もっと言えば、単色構築だと、カードパワーの高い有効トリガーを複数種類積むのは難しい。 よって、《スパーク》《スクラッパー》などの複数体除去トリガーが怖いシーンというのは少ない。 打点を2点ほど余分に用意しておけば、ほぼ確実に殴り切れるだろう。
デッキレシピ案
ここからは環境予想を踏まえて、鉄板デッキのない光・闇・火文明のレシピ案を紹介する。
赤単アルティメットドラゴン
自己評価:A
赤の強みは、強力火力トリガー《地獄スクラッパー》を積めることである。 《ツヴァイ》《ブリザード》本体は止められないが、取り巻きを潰せば1~2ターンは延命できるだろう。 その延命したターンで、少し増えた手札で打点を一気に作るにはどうすれば良いか。
そこで注目したのが、《アルティメット・ドラゴン》と《バルケリオス・ドラゴン》のコンビ。 《アルティメット》ともう1体のドラゴンがいれば、《バルケリオス》がG・ゼロで出てくる。 その時点で、《アルティメット》3枚、《バルケリオス》2枚、任意のドラゴン1枚で打点数は揃う。 超パワーとなった《アルティメット》は、《ツヴァイランサー》を殴り殺すこともできる。
また、出したカードが基本的に死なないとすれば、軽量ファイアー・バードのサポートが使いやすい。 コスト軽減機《コッコ・ルピア》、SA製造機《トット・ピピッチ》が良く働いてくれると思う。
奇襲用の《ボルテール・ドラゴン》、時間稼ぎの《フレイムバーン・ドラゴン》。
《バースト・ショット》は自軍の被害が大きいので、代わりに《爆竜炎舞》を積んでみた。
最低コストが3なのが気になるようなら、《クリムゾン・ハンマー》を積もう。
問題はデッキエンジンが無いこと。 シールドからの手札補充に期待したいが、《ツヴァイ》が3体並ぶまで待たれると辛そう。
白単スタンダードヘブンズ
自己評価:B
白には、他の文明が喉から手が出るほど欲しがるトリガー呪文が3つある。
- 相手の場数によらず逆転を拾える《ホーリー・スパーク》(ならびに《バリアント・スパーク》)。
- 大量展開された盤面を一斉に片付ける《アポカリプス・デイ》。
- 大型ブロッカーでカウンターを狙う《ヘブンズ・ゲート》。
ならばさぞ強力なデッキが組めるのかと思いきや、この3呪文はお互いに微妙に相性が良くない。 盤面リセットの《アポカリ》は、盤面を取ってから撃ちたい《スパーク》および、価値の高い大型ブロッカーを出す《ヘブンズ》とは噛み合わない。 《スパーク》と《ヘブンズ》の組み合わせは噛み合えば強いが、《ヘブンズ》を撃たない限り《スパーク》が紙切れになってしまう。
さらに、これら呪文の強さを最大まで引き出すのは、光単構築では難しい。 主に水のドローなくしては、盤面展開やブロッカー準備ができないからだ。
悩みに悩んだ結果、とりあえず3呪文のうちで最もデッキが組みやすい《ヘブンズ》の構築を固めることにした。
勝ち筋はヘブンズの原点に立ち返り、トリガー《ヘブンズ》からのカウンターアタック。 出せるブロッカーは5c天門に比べると貧弱だが、ビートだらけのこの環境ならそれでも十分強いと見ている。
他の文明のコストインチキに徹底的に対抗するために、《聖騎士ヴォイジャー》とエンジェル・コマンドを搭載。 《ヘブンズ》4枚のみでは不安な防御と、《ヴォイジャー》《ピカリエ》《エールフリート》のcipドローでデッキを回したい。
致命的なのは、《ツヴァイ》を破壊する手段が無いこと。 仮に《光器ペトローバ》で《シリウス》のパワーを上げても、結局すり抜けられてしまうので無駄。 これは《アポカリ》を入れない限り解決しない。
黒単ドルバロム
自己評価:B
単色デッキだと刺さり方がえげつない《悪魔神ドルバロム》を使いたい構築。 ブロッカー除去や《スパーク》が無いなら、ブロッカー+《リバース・チャージャー》がそれなりに有効だと踏んで組んでみた。 が、果たして《ドルバロム》召喚まで耐えきれるのかどうかはかなり怪しい。
ツヴァイは黒の特権《解体人形ジェニー》がぶっ刺さるのでワンチャンありそうだが、ブリザード相手は絶望的。
おわりに
ブリザード、ツヴァイに勝てそうなデッキ案をいくつか考えてみた。 あくまで「勝てそう」なだけで、実際に勝てるかどうかは戦ってみないと分からない。
悲しいことに、どのレシピもパーツが微妙に足りないので自力で試せない。 よかったら組んで回してみてほしい。
環境が回ってきたら追記する予定。