ミケガモのブログ

クローシスイザハヤテ・クイズ解説【デュエプレ】【DMPP-11】

《貴星虫イザハヤテ》

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4-4000。 自分のサムライ・クリーチャーが破壊されたときにシールドをランダムに1枚めくる。 それがサムライなら場に出し、それ以外ならそのシールドを交換する。

いかにもな効果だが、"ちゃんとした"デッキを組むのはとっても大変。 自分もこのカードの構築に非常に悩まされた。

最終形にこぎつけるまでに色々な型が生まれたので、Twitterでこんなクイズを作ってみた。

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A, B

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C, D

投票は締め切ってしまったが、よければ今ここで挑戦してほしい。 回答頂いた皆さんには感謝申し上げる。

この記事ではクイズの解答・解説編として、デッキ調整の経緯を辿っていく。

前提

調整の様子を説明する前に、構築の前提となるカラーとこだわりを紹介。 これを破れば、もっと良い構築が目指せるかも知れない。

カラー

クローシス・デアリガズ・デイガの3択。赤黒は要素不足、4c以上は安定しない。

クローシス

《トモエ》《ソウジ》《ラネーバ》で手札を増やせる。今回採用。

デアリガズ

《ドルルガン・ムラサメ》《禁門の超人》が◎。 しかし、緑の小型アタッカー《ビワノシン》は、 マナカーブの面で《イザハヤテ》と絶望的に噛み合わない。

デイガ

《ムシャ・ルピア》《ムシャ・レジェンド》の組み合わせでシールドを増やせる。 《イザハヤテ》自体がたられば効果なのに、そのバックアップに力を入れてもなぁ……という感じ。

構成のこだわり

1つ目、自壊用のカードを入れないこと。

ビルド杯投稿レシピでは、 《のろいとテラーの贈り物》で《イザハヤテ》を起動する構築が多かった。 しかし、そこにスロットを割くなら素直にブーストして、 《バルガライザー》を投げたほうが強いと思った。

2つ目、デッキのサムライ比率を極限まで高めること。

自分からガチャを狙わないので、ビートしながら相手に破壊を強要するスタイルになる。 ビートプランだと殴り手の数が重要になるため、《イザハヤテ》がスカるのは避けたい。 ハズレを極力少なくしたいと意識して組んだ結果、今回作ったものはどれもフルサムライの構成になった。

3つ目、《エルメテウス・雷撃・ドラゴン》を入れること。

コイツはシールドを削る《イザハヤテ》と相性が良い。 所詮はファンデッキなので、芸術点と満足度を上げるためにこのマイナーカードを入れておきたい。 2つある効果はどちらも発動することが無かったので、皆さんは抜きましょう。

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調整の経緯

1個目

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初めに組んだのがDのレシピ。

《イザハヤテ》に《ソウル・ブリンガー》をクロスし、 手札の減らない《トモエ》《バルット》を生贄に捧げてお得になるというコンボからスタートした。

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《ソウル・ブリンガー》と《イザハヤテ》の両方をプレイしないといけないので、 精一杯黒を確保している。

当たり枠は、デッキが全てサムライにつき《バルガライザー》を選んだ。 「クリーチャーが出てきてくれればオッケー」という思考が強かったので、当たり枠の数は少ない。

何戦かやった結果、勝ち筋が見えずに終わる試合が多かった。 また、《イザハヤテ》に《ソウル・ブリンガー》をクロスし、その横に小型を1体並べるというのがそもそも難しかった。

2個目

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次に試したのがBの前寄せ型。

《ソウジ》を新たに投入し、序盤から全力で殴って勝ちに行く設計に。 速さ重視なら、《イザハヤテ》の効果で何が出てくるかは重要ではないので、重いカードはさらに減らした。

結果的に、この改造は失敗だった。

速度は多少出るものの、中盤の押しが弱くてシールドを削り切れない。 せっかく《イザハヤテ》が起動できても、 出てくるクリーチャーがことごとく力不足すぎる。

これではダメだと思い、当たりカードを大幅に増やすことを決めた。

3個目

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次に組んだのがCのタッチ青型。

追加の当たり枠として、単体性能が高い《ボルバルザーク・紫電・ドラゴン》を投入。

トリガークリーチャーは、コストが大きい《タイガーグレンオー》4積みにした。

少なくなった青は手出しが困難と見て、《ラネーバ》のみにした。 カジュアルにもコントロール系のデッキは多くいるので、 ご都合マッドネスでペースを奪える《ラネーバ》は外せない。 素のコストが大きいので、当たり寄りのカードでもある。

《トモエ》が抜けた枠は《弥太郎》に変えた。 《イザハヤテ》をセイバーできるのでシナジーがある。 《トモエ》と違って《マッハアーマー》のコスト軽減を受けられるのも良かった。

これを使ってみた結果、《紫電》がめちゃくちゃ強くて噛み合っていることが発覚。

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《イザハヤテ》のおかげで盤面の数が減らないので、 《紫電》の「サムライ5枚」条件が満たしやすい。

相手が《イザハヤテ》を恐れて盤面処理を怠ると、 《バルット》の隠された効果「《紫電》をSAにする」が火を吹く。

この時点で、《紫電》が4枚確定枠に昇格した。

一方で、方針転換直後のため粗いところがぽつぽつ。

《ラネーバ》4枚だけだと息切れしがちという悩みもありつつ、 《マッハアーマー》と《イザハヤテ》のコストが被るせいで手札が詰まることもあった。 《弥太郎》も《イザハヤテ》が引けないと微妙だった。

4個目

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この課題を乗り越えて最後に辿り着いたのが、Aのレシピ。

リソース確保と手札吐きを両立できる《ソウジ》が、Cの問題点を見事に解決してくれた。

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2マナクリーチャーがいなくなったので対速攻は絶望的だが(※カジュアルにも速攻は割といる)、 他のデッキ全般に勝ちやすくなった。

青確保のため、《タイガーグレンオー》はしぶしぶ《パーフィン》に変えた。

侍流ジェネレートの《ヒゲマロ》は、《ソウジ》と役割が被るため減。 黒が9枚にまで減ったが、最悪《バルット》で《ソウル・ブリンガー》を持ってきて埋めれば間に合うことを考えると、黒は実質13枚。 4ターン目に《イザハヤテ》を出すには十分な枚数といえる。

この構築のポイントは、 《バルット》《ソウジ》《イザハヤテ》をどの組み合わせで引いても繋がりが良いこと。

最終的に勝率を分けたのは、《イザハヤテ》に依存せず、 《ソウジ》《バルット》からの《紫電》ルートでも勝ちを拾えたからだと分析している。

強力な《ソウジ》をもっと活かすには、《シデン・レジェンド》まで入れたいところ。 エースの《紫電》ともシナジーがある。 しかしながら、《ソウル・ブリンガー》《デュアル・スティンガー》も外せないカードなので難しい。


というわけで、正解はAのレシピ。 順番は、D→B→C→A。

皆さん、結果はどうだっただろうか。 投票ではAは一番の不人気だった。ニヤニヤ。

これに正解するにはデッキパワーを見抜く審美眼だけでなく、

  • 弱いデッキが勝ちをもぎ取るにはどうすればいいか
  • カジュアルマッチがどのような環境か

を知っているかどうかも重要だったと思っている。

偉そうなこと言ってるけど、ボクがこれを出されても正解できる自信はない。

おわりに

最後に、それぞれのレシピを選んだ人に向けてコメントを置いておく。 B,C,Dの強さは似たり寄ったりだと思っているので、そこの優劣は特にない。

A(正解)を選んだ貴方は、おめでとう。 「《イザハヤテ》の出力を確保しながら、それに依存してもいない」という本質まで見抜けていたなら満点。 カジュアルの構築&環境の理解が人よりも優れている、かもしれない。

Bを選んだ貴方は、現実主義者だ。 デッキの立ち回りがひと目で分かり、《イザハヤテ》の効果起動も一番狙いやすく見えるのがBの構築である。 足りなかったのは、「良い回りをしたときに勝てるかどうか」というカジュアル特有の視点。

Cを選んだ貴方は、芸術的センスに秀でている。 《イザハヤテ》に期待を寄せすぎかもしれないが、ファンデッキならこのくらいやってナンボだ。 デッキビルド杯で評価されたいならこれが一番いいと思う。 ただし、美しさと強さはしばしば両立しない。

Dを選んだ貴方は、デッキ作りの基礎をよく分かっている。 色・コストバランス、トリガー枚数、コンセプトなど、各種要素を最も無難に拾えているのがこれだろう。 あとはカード選定のセンスを磨いていくべし。