お題
満を持して登場したデュエプレのクロスギアの考察をミケガモさんの視点で読んでみたいです。いくつかピックアップ、ミケガモさん的に注目してる10弾クロスギアの考察をお願いします。
https://odaibako.net/detail/request/5e4d34ef-d0a5-4cdd-9928-2f41fb6f326e
メタモーフのときのノリでクロスギアを解説してください
https://odaibako.net/detail/request/4be3482b-58c9-4628-84be-65db6c2a1fbd
メタモーフの記事は、後から読んで「寒っ……」となったので二度とやらない。と思う。
クロスギアの仕様
コストの分割
ジェネレートとクロスのコストが分割された。 現状、クロスコストはすべて1。 多色ギアが出たらクロスコストが2になるのだろうか。
このシステム自体は、非常によくできている。 自分は装備魔法のような形式を予想していたので(↓)、良い意味で裏切られた。
ギアは来るとしたら装備魔法みたいになると思う。ジェネレートの概念がなくなってそのままクロス。元の特徴を出すために、クリーチャーが離れたら手札に戻るのがいいかな。
— ミケガモ (@nusu_fkr453145) 2020年9月28日
あらかじめジェネレートコストを払っておき、 クリーチャーを場に出したターンには、追加で1コスト払うだけで簡単にクロスできる。 パンプアップや《ジャミング・ビート》のようなギアの場合、少ないマナで即クロスできることの恩恵は大きい。 装備魔法形式ではこうはいかない。
この方式の良いところはもう一つある。それは、ギアの効果の強さをジェネレートコストに還元できるということ。
紙の場合、ギアのコストを上げると、ジェネレート・クロスの2回分に反映されてしまう。 実質的に、コストを2刻みでしか設定できなかったとも言える。
一方、デュエプレの仕様では、コストがかかるのがジェネレート時のみなので、 クリーチャーや呪文に近い感覚でコストを設定できる。
そのおかげで、開発としてもカードデザインがだいぶやりやすくなったはずだ。
盤面圧迫
デュエプレクロスギアの残念なところは、盤面を圧迫してしまうところだ。
ただでさえ7体制限が厄介なのに、クロスギアがさらに枠を食ってしまうのが厄介。 下手に場持ちが良いせいで、一度出すとなかなかどかせないのも困る。 クリーチャーならまだ自爆ができる分マシなのだが……。
盤面圧迫の解決策として、自発的にギアを破壊or手札に戻すシステムを導入したらいいと思う。
例えば、
- 場にあるギアのクロスボタンをタッチして、
- クロス対象選択の画面で、墓地を選べば破壊。プレイヤーを選べば手札に戻る
といったような具合。ギア除去にクロスコストがかかる仕様でも構わない。 今からでも実装してもらえないだろうか。
ちなみに、自分は「ジェネレートゾーン」を作る案を最初に推していた。
そっか、ジェネレートゾーンを新設すればクロスギアが場を埋めちゃう問題は解決できるのか。クロスするときだけそのゾーンを呼び出すボタンをタッチするみたいな。
— ミケガモ (@nusu_fkr453145) 2020年9月29日
クロス操作
クロスの際は「ギアタッチ→クロスボタンを押す→クロス対象を押す」という手順を踏まなければならない。 この仕様は、非常にテンポが悪い。
画面上で距離の離れたところを順番にタッチしなければならないので、操作性がよろしくない。
解決策として推したいのが、クリーチャーで攻撃する時と同様の仕組みで、 クロスギアからのドラッグでクロスするクリーチャーを選べるようにすること。 直感的にも分かりやすいと思うので、ぜひ改善を待ちたい。
ところで、過去の不具合お知らせの中に、
●「クロスギア」をクロスする際、ショートカットキーを使用すると、クロス演出が表示されず、その後、自分のクリーチャーが攻撃を行うと、「クロスギア」が消失する。 ※ショートカットキーは一部のOSのみ使用可能となります。
という記述があるのだが、「クロスのショートカットキー」とは何のことだろうか。 自分はAndroid版・PC版の両方でプレイしているが、どちらにもそれらしきものが見当たらない。 ショートカットキーを用意しているのなら、それも実装してほしい。
クロスギア個別評価
システムの話をしたところで、ここからは個別評価。
《炎刃 イダテン・アクセラー》
アタックトリガーおよびタップスキルを救う1枚。
高速デッキに雑に突っ込んでおいても活躍できる。
事前予想では環境をぶち壊しに来るかと思っていたら、意外とそうでもなかった。 手札を1枚消費するのと、即クロスのために1マナ多く支払う必要があるのが、意外と負担になる様子。
《マッハアーマー》もそうだが、 立ち回りがこれに依存しているデッキは《ボルット・紫郎・バルット》を入れておきたいところ。
《助太刀 メモリー・アクセラー》
強く見えてしまうが、2回殴らないとアドにならないことは意識すべき。
単体で突っ込んでも最低限の仕事はできるものの、 アクセル持ちクリーチャーなどのシナジーを用意しておくのが無難。
紙ではクロスが簡単で使いやすいという評価だった。 現デュエプレに実装中のギアはクロスコストが1で統一されたので、相対的に損をしている。
《覇翼 フェアリー・アクセラー》
《助太刀》と比べると、最悪1回殴りでもマナ加速という仕事になるのが良いところ。
一方で、ブースト効果にとって、効き目が遅いことのデメリットは大きい。
無駄にマナが増えていくので、マナを削ったりギアを付け替えたりといったギミックが欲しい。 ……《維新》使えってことか。
強いかは別として、《助太刀》《覇翼》のリソース連中は結構好み。
《熱刀 デュアル・スティンガー》
刺さる相手にえげつないほど刺さる。
デュエプレでは【天門】の勢力が強く、 コントロールデッキにも軽量ブロッカーが多く入るようになったため、 紙よりも腐りにくい。 《紫郎》のサーチ先として、1~2枚積んでおきたいカード。
ただし、《PG》だけはどうにもならないので注意。 一筋縄では行かないところがカードリストの妙。
《流楯 スプラッシュ・ディフェンサー》
ゴミカス。
紙の《シャイニング・ディフェンス》を見てから出直してきてほしい。
サムライ付与が最後の希望だが、 現実的に恩恵を受けられるのは《紫電》くらいだろうか。……無理かな。
《流砲 ハイドロ・バズーカ》
コスト3以下を戻したところですぐ出てくる。 サボタージュ能力なので《エル・カイオウ》を突破できないし、 トリガーチャンスも生まれてしまう。
役立つのはビートダウンの殴り合いのときだろうが、 その対面でこのカードに累計4コスト払う余裕があるのだろうか。
手札交換できるのだけは偉いが、こんな使いにくい効果ならそもそもジェネレートしなくていい。
今のサムライだと、ディスカードを活かせるカードも少ない。 トリガー《ベンケイ》侍流ジェネレートから《提督》を捨てるくらいか。
《鬼装 オーガ・フィスト》
パワー上昇は紙のままだが、 2個目の効果がチャンプブロック防止からパワード・ブレイカー付与に変更された。
シンプルにして無駄のない効果である。
特に、やたら高コストのカード、 パワード・ブレイカーが欲しかったカードには朗報。そうでなくとも、打点補強や火力耐性目当てで付ければ強い。
現状、パワーアップができる最軽量のギア。 1~2コストでパワー上昇するギアも欲しい。
《竜装 ザンゲキ・マッハアーマー》
10弾収録の中でもっとも使われているカード。
純粋なサムライデッキよりも、【武者】と【ロマノフ】で使われているのはいいんだか悪いんだか。
一度出すとトップが無茶苦茶強くなる。 召喚コストが1減るので、実質元のコストでスピードアタッカーが余分についてくるというお得さ。 《イダテン》が使われていないのは、この点で性能負けしているからというのもある。
《叫器 ジャミング・ビート》
地味にウザいカード。 《マッハアーマー》もそうだが、紙でクロス時・フリー時で効果が分かれていたのが、 どちらも常時発動するようになった。素晴らしい。
対呪文限定とはいえ、任意のカードに「選ばれない」を付与できるのは画期的。 紙の《ペトリアル・フレーム》が大好きだった自分にはたまらない。 1コストでクロスできるため、出したターンにそのままクロスして保護、の動きがやりやすいのも強化ポイント。
汎用性は地味に高いと思う。
《将騎 センジン・スタリオン》
《パワード・スタリオン》から引き継いだパワー2倍、 《オーガ・フィスト》と交換したチャンプブロック防止効果を搭載。 クロスギアでついでに付与する分には、こういう能力もいいものだ。 《PG》突破にも役に立つはず。
さらに、cipで多色クリーチャーをマナに飛ばすことができる。 《ゲキメツ》でランデスされても5マナくらいは払えるだろう。 《キング》《クイーン》のロックも、《ゼンアク》の破壊耐性も貫通する。
総じて、今環境にいる高コスト帯のカードに良く刺さる。 クロス時の効果も申し分ない。 汎用クロスギアとしてはかなり良い線行っている。
何も考えずに突っ込んでおくと、意外に良い仕事をするカードかもしれない。
《竜装 シデン・レジェンド》
パンプ・ブレイク付与の効果で見ると、《オーガ・フィスト》に劣ることが多い。
活用するなら、やはりcip5000火力のほう。 6マナ払うのは渋いので、 《ツバメガエシ》《ベンケイ》などの侍流ジェネレートと同居させるのがいいだろう。
ついでに、《紫電》に無料クロスできる。 専用デッキだと多少嬉しいと思うが、《紫電》と他に2体くらいサムライがいれば、 これが無くても殴り切れる。
これを最大限に活用できる構築は、意外と限られている。
総評
クロスコストが1に統一されたのが素晴らしい。 元のコストが3~5のクロスギアは、使い勝手が大幅に向上している。
《マッハアーマー》は言わずと知れた強さ。
《イダテン》はできることを広げてくれるので、常に頭の片隅に入れておきたいカード。
個人的には、《オーガ》《ジャミング》《スタリオン》の3枚に注目している。
デュエプレは緑単色カードが弱すぎてデッキに積みたくないというのが常だったが、 この3枚はそこそこ汎用性があって使いやすい。 緑マナに困ったらこれらを検討してみるのもいいと思う。