ミケガモのブログ

【デュエプレ】2021/6/10のカードバランス調整について

はじめに

2021/6/8, またしても唐突なカードバランス調整が予告された。

今回の調整内容は、

  • 《連珠の精霊アガピトス》 ナーフ
  • 《超鎧亜キングダム・ゲオルグ》 ナーフ
  • 《驚天の超人》 ナーフ
  • 《インビンシブル・テクノロジー》 DP殿堂

である。

現環境を支配しているカードたちが一斉にナーフ、 しかもその調整が大胆だったために、多くのユーザーが驚いた。 驚きが覚めぬうちに、記事に書いておこうと思う。

公式ニュース

dmps.takaratomy.co.jp

前回記事

mikegamo.hatenablog.com

調整カード紹介

《連珠の精霊アガピトス》

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アガピマスターズ、閉幕。

効果対象が3コストから2コストに縮小。

一般的に、コストが低いほど、時代の流れに伴うインフレ度合いは緩やかである。 今後環境が進んだとしても、2コストなら悪さをする可能性は低い。

自分は「光単色の3コスト」にする案がイチオシだったが、今後のインフレの可能性まで考えると、 2コストにしておくのは賢い選択だ。2コストなら、《レモン》《アラゴナイト》のような3色のパワーカードも出ない。

個人的には、今回の調整の中で最も納得が行っている。

このカードは自分もそれなりに使ってきたので、言いたいことがいくつかある。 この場では2つに要点を絞って記すことにしよう。

一つは、このカードは汎用性が高いのか、という疑問。

確かに、白入りの様々なデッキタイプに入るという所だけ見れば、汎用性が高いと言える。

その一方で、《アガピトス》を採用した環境デッキには、ほぼ確実に《霊騎幻獣ウルコス》4枚、 《居合のアラゴナイト》2~3枚*1がセットで投入されてきた。

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すなわち、《アガピトス》自身4枚を含め、10枚前後の構成が固定されていたのだ。

むしろ、《アガピトス》を軸にするのではなく、 《ウルコス》→《アガピトス》→《アラゴナイト》という風に採用が決まることも珍しくなかった。

このような観点で言えば、 《アガピトス》の存在によって構築が縛られていたと捉えることもできる。

「枝分かれの自由度は高いが、幹の部分が皆同じになってしまう」というこのカードは、どう評価するのが適切なのだろうか。

もう一つは、勝ちに直結するカードでは無いものの、勝ちに大きく近づくカードだったということ。

《アガピトス》は、6コスト払うだけで無条件に3体分の打点を揃えられる。 色々勝手は違うが、打点だけで見れば《ガルザーク》と似たようなものだ。

打点をコスパ良く形成する動きは、ゲームの勝ちにまっすぐ近づく強い動きである。 効果が優秀過ぎて忘れられがちだが、それだけでも相当強い。 ナーフ後も6マナ3打点生成という性能は変わらないため、普通に実用足り得るカードである。

ちなみに、デッキから指定条件のカードを直接使うという点では、 紙の《蒼狼の始祖アマテラス》が連想される。

しかし《アマテラス》が使えるのは、呪文とクロスギアに限られる。 打点としては、あくまで《アマテラス》1体分でしか無かった。

のちに《アマテラス》はプレミアム殿堂にまで上り詰めるわけだが、 その要因は《母なる星域》のようなクリーチャーを踏み倒す呪文と組んだからである。 結局、低めのコストで打点が増えるのが危険なのだと思う。

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《超鎧亜キングダム・ゲオルグ

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タップ・アンタップの対象が、場の全てから1体に縮小。

出たターンに盤面を一気に制圧するとき、 全タップ&全アンタップという2つの能力は、お互いに強くシナジーしていた。

ナーフ後の効果はというと、全くと言っていいほど噛み合っていない。 これでは、2体出して《ゲオルグ》二足歩行をするのが関の山である。

紙からほんの少しアレンジされた程度の、悲しきカードに成り下がってしまった。 ナーフ後は、効果も紙同様VR格のカードである。

《驚天の超人》

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効果はそのまま、コストが3から6に増加。

3コストも増やす必要はなかったと思う。

《霊翼の宝アルバトロス》での踏み倒しを避けたいのかもしれないが、 それ以前に単体性能が下がりすぎて誰も使わない。

《運命の選択》から出せない4~5コストにする、あるいは出た時の効果を使用可能にするなどすれば、まだ良い調整だったのにと思う。

《ゲオルグ》同様、SRの風格を完全に失ってしまった。

《インビンシブル・テクノロジー

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DP殿堂になった。

  • コスト8→7に上方修正
  • 《キング・レムリア》《ラセン・チャージャー》を貰う

というプッシュから一転、まさかの1枚制限である。

【テクノロジー】は、スタンダードな低~中速デッキを封殺するデッキタイプだった。 ビートダウンに対するかの【ウェーブストライカー】のような存在だったと言える。 特に《テクノロジー》が7コストになって以降は、遊び方の幅を狭めていたのは事実だ。

しかし、個人的にDP殿堂は避けてほしかった。

特徴的なキーカードが制限になるということは、そのデッキタイプが完全に消滅することを意味する。

通常、暴れたデッキタイプの核部分が規制されるのは、周辺カードが巻き添えを食らうよりかはずっとマシである。 周りに迷惑をかけず、キーカードだけが退場してくれるのは皆にとって望ましい形だ。

しかし《テクノロジー》の場合、 《レムリア》《ルナ・コスモビュー》のような【テクノロジー】用のカードが存在しているため、 《テクノロジー》だけの問題では済まされない。

コストを8に戻す、相応のデメリット効果をつけるなどして、デッキタイプとしては存続できるような道を選んでほしかった。

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環境への影響

の4デッキが消滅。

《アガピトス》をサブパンチャーとして運用していた、 【リースパンダ】【アーク・セラフィム】などのデッキも、構築を見直す必要を迫られている。

《驚天》《アガピトス》《ゲオルグ》が消えたことで、小型を展開するデッキ、 すなわち高速ビートダウン系および展開コンボ系が恩恵を受ける。

ビートダウンとコンボが増えると、その2者で戦った時に相性の良いコンボが最も良い立場につく。 具体的には、【アポロヌス】【メカオー】【ツヴァイ】。

ただし、《竜極神ゲキメツ》がノータッチなので、 展開系でも2000ラインが並ぶデッキは相変わらず環境では苦しい立場になる。 具体的には、【グランド・デビル】【ティラノ・ドレイク】【武者ドラゴン】。

コントロールが弱体化したことで、環境は高速化するだろう。 低速環境に適応してきた【4cゲートサファイア】【4cドルバロム】【5cコン】などは、 直接ナーフの影響を受けないデッキではあるものの、環境での立場が危うい。 これを考えると、【テクノロジー】は規制をかけずとも勝手に環境から減っていたかもしれない。

総評

環境を調整しようという試み自体は評価できるが、 今回の調整内容は旧来のものと比べ明らかに大雑把だ。

めちゃくちゃだ、やり直せ、などと批評するつもりは毛頭ないが、 もう少し穏やかな調整をお願いしたかった所。

個人的には、この規制の仕方で《アポロヌス》を一緒に調整しないのが不服である。 デュエプレで一、二を争うくだらないカードだと思っているので(※初心者でも使いやすいという点だけは評価できる)、 また大量の《アポロヌス》を相手にしなければならないのかと思うと気が重い。

まあ、それは環境が変わってから考えるということで。

*1:以前は《剛勇王機フルメタル・レモン》x2~3