21/10/21 追記
配慮に欠けた表現があったことをお詫び申し上げる。 ↓の記事で謝罪と改めて整理をした。
はじめに
デュエプレ1周年企画の一つとして、 「1位カードはリメイクが収録される」という名目で実施された「人気カード投票」。 そこで見事1位を獲得したのは、なんと《暗黒の騎士ザガーン》だった。
先日ようやく、《ザガーン》のリメイク《暗黒の騎士隊長ZAGAAN》が10弾EXに収録されることが決定。 界隈は大いに盛り上がった(と思う)。
一方で、《ザガーン》および《ZAGAAN》は、厄介な事情を抱えたカードでもある。 今回は、自分が《ザガーン》たちについて考えていることを記事にしたい。
【第10弾EXカード情報】
— デュエル・マスターズ プレイス【公式】 (@dmps_info) 2021年10月16日
《暗黒の騎士隊長ZAGAAN》
戦国武闘会で一方的に勝つために、奴らが大挙してやってくる!!
ただいま放送中の生配信で、このあとバトルします!
▼視聴はこちらhttps://t.co/LP7cCoNi3e #デュエプレ #魔帝剣征 pic.twitter.com/0vhVysNucn
【 #デュエプレ人気投票 結果発表!】
— デュエル・マスターズ プレイス【公式】 (@dmps_info) 2021年1月19日
沢山のご投票、ありがとうございました!!
栄えある第1回人気投票で1位に輝いたのは・・・
\\\\《暗黒の騎士ザガーン》////
2位以下はこの投稿に続いて発表します!#デュエプレ pic.twitter.com/EHo4d5Nwlw
《ZAGAAN》のリリース
《ザガーン》リメイクの難しさ
《ザガーン》のリメイクは、開発班にとって相当な難問だったと思われる。
最大のネックは、《ザガーン》がファンから愛されている理由にある。 それは、「それはスペックの貧弱さとフレーバーテキストの荘厳さが釣り合わないから」という、言ってしまえばしょうもないものだ。
仮に新生《ザガーン》が強すぎた場合、それはファンが愛する《ザガーン》ではなくなってしまう。 突き詰めると、何かしらの能力を持った時点で、それは《ザガーン》とは呼べないかもしれない。 かといって弱くしてしまうと、それは投票者の期待を裏切ることになる。
強くても弱くてもいけない、絶妙なカードバランスが求められるカードなのだ。
そして輪をかけて面倒なのが、《ザガーン》は全てのユーザーに望まれるカードではないであろう点。
《ザガーン》はお世辞にも、《ボルメテウス・ホワイト・ドラゴン》《無双竜機ボルバルザーク》のような、 カリスマ的ヒーローカードではない。 あくまで一部の層(と言っても結構多い)が、内輪的なノリで盛り上げているだけだ。 そんな《ザガーン》が、王道のヒーローカードがリメイクされる可能性を潰してしまったことを、 快く思わないファンも少なからずいる。
ブーイングを最低限に抑えるためにも、カード自体の完成度を極限まで高めなければならない。
投票結果発表からリリースまでに9ヶ月以上かかったことから、開発が難航したのは明らかだろう。
《ZAGAAN》は好評
期待と不安が混ざり合う中で発表された《ZAGAAN》の能力。自分の観測範囲内では、ユーザーからの評判はすこぶる良い。
どうしてこういう評価になったのか、詳しく見てみよう。
一番のポイントは、強さが丁度いいことだ。
《ザガーン》といえど、 7000Wブレイカーにブロッカーまでついたクリーチャーが複数体並べば戦力としては十分。 攻めと守りを両方こなせるため、腐る場面も少ない。 回ったときの強さは保証されている。
一方で、出す前に下準備として、自分のクリーチャーを展開する必要がある。 呼び出す《ザガーン》もちゃんとデッキに積む必要がある上に、マナとシールドは対象外。 構築やプレイングは、一筋縄では行かない。
まだ事前評価でしかないが、環境を壊すほどではなく、かといって残念カードでもないように見える。 《ZAGAAN》のバランスは絶妙だ。
次に評価したいのが、本家の《ザガーン》をきちんとリスペクトしている点。
《ザガーン》を大量降臨させて圧殺すれば、 「《ザガーン》で『一方的に勝つ』」というフレーバーテキストの再現ができる。 これはファンにとっては嬉しいだろう。
また、もし《ZAGAAN》が単体で強かったら、 本家の《ザガーン》がデッキに積まれることはなくなっていた。 デッキに入れた《ザガーン》を呼び出す効果にすることで、《ザガーン》のプライドと存在意義を潰さず、 そればかりか《ザガーン》を合理的に投入する理由まで用意してきたのは見事だ。
「騎士隊長」という名前でサイズが一回り大きい7-8000になっているのも、 地味ながら見逃せない。
開発班が《ザガーン》と《ZAGAAN》に真剣に向き合ったのが伝わってくる。
さらに、直前の「にじさんじコラボ」の加賀美ハヤトごっこができる点もよく考えられている。
加賀美ハヤトもまた、《ザガーン》ネタを乗りこなす人気配信者。 その彼がコラボで獲得したレジェンドスキル「後方覇王面」は、 自分のクリーチャーを《ザガーン》に変換するという、 まさに《ZAGAAN》の能力そのものとも言えるものだった。
コラボは10弾EXリリースと同時に終わってしまうが、 《ZAGAAN》でコラボのおかわりができるとなれば、潜在株主も大喜びに違いない。
ちなみに、考察家の方はこんな喜び方をするらしい。
【速報】いにしえの超人、新ザガーンに殴り勝つ
— innseki (@innseki_dm) 2021年10月16日
【速報】いにしえの超人、ザガーンにブロックされない pic.twitter.com/k8eoUIDNjK
ひとまとめ
《ザガーン》が人気な理由を考えると、《ZAGAAN》は強すぎても弱すぎてもいけない。 加えて《ZAGAAN》自体を歓迎しない人もいるであろうため、開発のハードルは高かったと推測される。
しかし、時間をかけた調整により、 強さ・方向性・リリースタイミング、どれもが丁度いい《ZAGAAN》が誕生した。
自分が《ザガーン》について思うこと
ここからは話題を転換して、私個人が《ザガーン》に対して思っていることを書く。
《ザガーン》の好き嫌い
記事の前半を読めば、 《ザガーン》に対するいわば悪ノリを楽しむユーザーが多くいる一方で、 その風潮を好まない人も一定数いるということを悟ってもらえると思う。 実は、かくいう自分も後者の派閥の一人だ。
《ザガーン》がどのように好かれ、どのように嫌われているのかについては、 ↓の記事で詳しく考察されている。
自分はワンオクはおろか檸檬もマリーゴールドもピンとこないレベルで音楽に疎いのだが、 ヘイトを買う理由に関しては概ね理解できた。 ただ、自分の場合は少し事情が違う気がしている。
《ザガーン》を好まない理由
自分が《ザガーン》を好きじゃない理由は、 【リドロマッドネス】【サードサファイア】が好きでないのと同じだ。
マッドネスデッキは主にザガーンと同じ理由であんまり好きじゃないんだけど、理解してもらえるかな。
— ミケガモ (@nusu_fkr453145) 2021年5月17日
この際だから、自分が面倒くさい老害粋がり厄介オタクであることを自認した上で、 誤解を恐れず言わせて貰う。
《ザガーン》でヘラヘラ笑っているような奴は、浅い。
有名配信者やネットミームによってヨイショされた「分かりやすい」ネタに食いついて、
楽しい気分に浸っている。
【リドロマッドネス】【サードサファイア】も、いくらかマシだが本質は同じだと思っている。
「分かりやすい」カードを軸にしたテンプレのファンデッキを回して、
「変わったデッキ」を使っていると満足する(最近はそういうデッキすら減ってきたけど……)。
だから、簡単なカードだけにスポットライトを当てて、
浅瀬でちゃぷちゃぷやっているような楽しみ方は、ひどく勿体ないと感じる。
そうしている限り、このゲームに秘められたはずの可能性は、そこで停滞してしまう。
特に配慮の足りなかった部分。不快にさせた方にお詫び申し上げる。 自戒の意を込めて、文章は見え消しで残しておく。反省の記事は↓。
自分は、このゲームの深みを探求することに、強いやりがいを感じている。 広いカードプールからどんなデッキを組み上げるか。一期一会の状況でどうプレイするか。 カードゲームの無限とも言える可能性の大きさに魅了されているのだ。
……これ以上は「ニワカを批判するオタク」にしかならないのでやめておこうか。 もちろん自分も、界隈におけるライトユーザーの重要性はよく分かっている。 だからこそ、ライトユーザーを啓蒙するべく記事と動画を作っているつもりである。 まあ大して影響力ないけどさ。
新生《ZAGAAN》リリースはありがたい
前節では《ザガーン》に批判的な意見を書いてしまったが、 実を言うと《ZAGAAN》が出たことで状況は変わったと考えている。 《ザガーン》が人気投票を取って《ZAGAAN》リリースにこぎつけたことは、 非常に喜ばしいことなのだ。
その理由は、《ザガーン》が「簡単なカード」ではなくなったから。
本家の《ザガーン》を採用する意味が明確に生まれ、 《ZAGAAN》と合わせてどのように使うかを考える必要が出てきた。 今まで《ザガーン》の本質を見ようとしなかった者たちに、 頭を使う機会が与えられたのだ。
もしかすると、彼らは結局コピーデッキを使って遊ぶだけかもしれない。 だが、それでも大きな進歩だ。 準バニラの《ザガーン》と違って、《ZAGAAN》には戦略性と拡張性がある。 それに気付いてもらえれば、彼らにもデッキ構築の魅力が伝わるはずである。
そういうわけで、新生《ZAGAAN》には「デッキ作りの面白さ」を説く伝道師としての役割も期待している。
おわりに
記事の後半部分で、一部の読者や視聴者を敵に回した可能性がある。 もしかすると、《ザガーン》のノリも大好きだけど、 このブログも面白いと思ってくれている人がいるかもしれない。
悲しくも自分にはその心境を想像できないので、 もしいたらどんな風に思っているのかを聞かせてほしい。 (なお求めているのは、ザガーン派閥を擁護できるとかではなく、真に《ザガーン》のノリが大好物な人である)
それと一応補足しておくと、 【リドロマッドネス】【サードサファイア】のようなデッキでも、 テンプレを打破しようという試みが見られるものは面白い。 真にこれらのデッキタイプが好きなら、研究と工夫をとことん重ねてほしい。
最後に、《ザガーン》で満足しているユーザー諸君に伝えたい。
いつまでそんな所にいるつもりだ。このゲームはもっと面白いぞ?