ミケガモのブログ

デュエプレ DMPP-12環境考察メモ

はじめに

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たとえ形骸化しても、1弾から継いできた伝統だけがモチベーションになる。

新しいデッキタイプ

12弾で新しく出てきたメジャーデッキは3つ。

【リースNEX】

1つ目が【リースNEX】

《ボルシャック・NEX》の展開能力で一気に打点を揃えるビートダウン。 その動きはかの《アガピトス》を彷彿とさせる。

《NEX》をサーチしつつ打点としても優秀すぎるオリカ《ブレイブ・ルピア》、 スピードアタッカー付与で殴りに行ける《マッハ・ルピア》、 実質トリガーを得た《ピース・ルピア》が強力。 これらを組み込んだリースカラーが定番である。

【ガントラビート】などと組み合わせるアイデアも出ているが、 数・実績ともに一番目立っているのはデザイナーズレシピが基盤の純正【NEX】である。

【リースNEX】は、リリース後すぐに構築が固まると、それがほぼそのままテンプレートになった。 同じデザイナーズデッキであっても、結論が出るまでにやや時間を要した【メカオー】や、サイドカラーに選択肢のあった【武者】とは違った道を歩んでいる。

【エンペラー・キリコ】

2つ目が【エンペラー・キリコ】

《エンペラー・キリコ》を降臨させ、大型クリーチャー(主に《ボルメテウス・サファイア・ドラゴン》)を踏み倒す。 前期の【バルガライゾウ】に続き、豪快な動きが魅力。 ただし、《キリコ》は《ライゾウ》よりも召喚がわずかながら難しいため、構築とプレイングの難度は上がっている。

《キリコ》の効果がターン1回に制限されたことで、紙の頃のように出てきた《アマテラス》で《星域》を撃っておかわり《キリコ》のムーブはなくなった。

しかしデュエプレでは、《アマテラス》から《鬼装 オーガ・フィスト》を持ってきて《サファイア》にクロスし、シールドを一気に5枚焼き切って即勝利するムーブが開拓された。 もちろん《サファイア》2体でもいい。 ベストムーブだと5ターン目には《キリコ》が到着するので、見た目以上に危ない。

《キリコ》降臨を安定させるため、《星域》の生贄となる小型クリーチャーを多めに積む構築が増えてきた。 《ワイルド・リリィ》のみならず《青銅の鎧》まで入ってくることになるとは予想していなかった。 環境初期のNDは【赤青剣誠】のような速いデッキが少なかったので、トリガーを減らす「フルパワー構築」が多く見られた。

リリース前は、大型の踏み倒しとして《バルガライゾウ》が既にいるのが不安だった。 しかし、相手のシールドを割らずに《サファイア》を出せること、プレイングに柔軟性があることで、結果的に【バルガライゾウ】よりも強いデッキに仕上がった。

とはいえ、現状ではデザイナーズデッキの枠に収まっている印象。 2021年12月発売の再録パックに《サファイア》が収録されたのも、【キリコ】の環境入りが想定されていた証拠である。

【黒緑B・ロマノフ】

3つ目は【黒緑Bロマノフ】

3ハンデスしながらのTブレイクで大ダメージを与えることができる《大邪眼B・ロマノフ》のデッキ。 紙から《カラフル・ダンス》が弱体化した一方、《Bロマ》のコストが1減ったのでトントンか。 展開系への強力なメタかつ墓地も増やせる《デスドラ》と好相性なこともあって、総合的には微強化くらいでデュエプレ環境にやってきた。

墓地肥やしを挟むため事故る可能性があるのと、 Tブレイクの内容次第では普通に立ち回られてしまうことから、環境1軍とまでは行かない様子。

【リーフコントロール

派手なデザイナーズデッキたちの裏でひっそりと開拓された、《アストラル・リーフ》をドロソに据えたコントロール

軽量バウンスの《ツクモ・スパーク》、ランダムハンデスの爆進呪文《爆進ガブラ・ハンド》が、普通の【除去コン】にはないカードである。

新しいコントロールデッキとして一定の支持を得ているものの、デッキパワー的には環境トップに届かない印象。

youtu.be

【青黒究極リーフ】

環境終盤、にわかに可能性を見出されたデッキ。

《リーフ》で基盤を作り、《ブリム》か《スカム》のどちらかを上乗せする。 【ナイト】にはリソースで、【剣誠】には《アレクセイ》で、【NEX】は《デスドラ》でなんとかする。

レシピは適当に自作。何か間違ってるかも。

既存のデッキタイプ(ND)

新登場した【キリコ】【NEX】は、

  • 回りが普通ならキルターンは6~7ターン(やや遅め)
  • ほとんど妨害をしてこない

という特徴を持つ。 これらを上手いこといなせる既存デッキタイプにとっては、風向きの良い環境。

【赤青剣誠】

前寄せの【赤青剣誠】は、のんびりしている相手を速度で轢き殺せるため好調。 かつての【ツヴァイ】同様、環境を規定するパワーデッキとして居座り続けるだろう。

【デイガナイト】

【デイガナイト】は、【キリコ】に対して《バレット・バイス》で妨害が効く。 【NEX】に対しても豊富な除去と高い防御性能で粘れる。

新デッキには、どちらもマッドネスが入っていないのが普通。 それらを封じ込めやすいコントロールデッキとして、一層注目されている。

【ガントラ】

相変わらず、回しやすさと受けの強さで人気が高い。

前環境で多かった黒型は、新カード《ダチュラ》で色基盤が安定した。

《アマテラス》で《バリアント・スパーク》を撃つのが強みだった青型は、 《バリスパ》スタン落ちでNDから退場するかに思われた。 しかし、今度は新トリガー《オリジナル・サイン》《霊騎コルテオ》を得てしぶとく環境に残っている。

https://twitter.com/ryoga_twi3/status/1488169372221046784?s=20&t=ZXE2bCHWsDPeEjnFNBvckg

【トリガーHDM】

ビートダウンへの勝率を取るデッキ。

人気の理由は環境に刺さっていることの他に、 やることがシンプルで分かりやすい、トリガーを使うのが楽しいというのもあると思う。

【4cキングHDM】

白黒赤緑の4cコン。 ビートダウンやコンボ系のデッキに対しては《キング》ロックが効く。

【メカオー】

相変わらず。 割合は減っているが、新デッキとそのメタに注目している人が多いだけで強さは不変。

ただ、《ヴィーナス》《マーキュリー》どちらでもケアできない強力トリガー《霊騎コルテオ》の登場は割と厳しい。

ちなみに来期からはスタン落ちである。

【バルガライゾウ】

前期あれだけ人気を博しておきながら、TOP100や大会入賞などの実績が無かった【バルガライゾウ】。 12弾環境になって、ようやく最終TOP100に姿を表した。 その理由として考えられるのは以下のような要素。

  • 相対的に数が減ったことで対策されづらくなった
  • 増えた【デイガナイト】に有利
    • 《ザークピッチ》《スペル・デル・フィン》が刺さる
  • 遅い【キリコ】【NEX】に対しては《ライゾウ》が間に合う

【赤白速攻】

マイナーめの潮流としては、再録パックで《クルト》《フンヌー》が帰ってきたおかげで【赤白速攻】が再燃している。

https://twitter.com/mihogaTier1/status/1488168622472060931?s=20&t=ZXE2bCHWsDPeEjnFNBvckg

AD環境

AD環境の整理。 といっても、自分もADはよくわかってない。 【剣誠】【ナイト】【NEX】【トリガーHDM】など、NDと共通するものは省略。

【黒緑速攻】

AD環境を規定するデッキ。最上位層の使用率では相変わらずトップ。 本気でAD環境を考えるなら、まずはこのデッキからスタートするべきである。

※追記

22/2/24のアプデで、上振れ要員の《レオパルド・ホーン》が弱体化。 G・ゼロ条件が厳しくなったことで、【黒緑速攻】に入ることはなくなると思われる。

とはいえ、《レオパルド・ホーン》抜きでもその速度は健在。 最近では、《ハックル・キリンソーヤ》《ワーム・ゴワルスキー》らの軽量進化速攻が強化ポイント。

一強の座から、周りの上位デッキと同じステージに降りてきたという程度の弱体化だ。

【ツヴァイ】

【黒緑速攻】に強いデッキ筆頭。 前期を最後にNDからスタン落ちした《ツヴァイランサー》は、ADでは余裕の現役である。

この他に、普通に組んで【黒緑速攻】に明らかに有利を取れるデッキは【メカオー】くらいしかない。 他のデッキタイプは、《タイガーグレンオー》などでガンメタを張る必要がある。

ジャイアント】

《鼓動する石版》が使えるADで本領を発揮する【ジャイアント】。 NDだと同じ2コストブーストに《ホッピ・ルッピ》《クサナギ・ブレード》があるのだが、それらは墓地に行かないため《怒流牙 サルトビ》のブースト効果が使えない。

新弾の《トルネード・ムーン》も入っている。

環境中~後期

【リースNEX】が頭一つ抜けて強い。 展開速度、継戦能力、プレイングの幅、全てを兼ね備えた屈強なデザイナーズデッキである。 《ゲキメツ》《HDM》を入れた黒リースも一定数いるが、 メインルートと全体トリガーを重視したリース型のほうが安定して勝てるようだ。 打点生成速度が異常に速いため、殴るデッキだと【速攻】くらいでしかまともに対抗できない。 それかミラーにして《スパーク》《コルテオ》ゲーに持ち込むか。

《NEX》《ブレイブ》《サンライズ》のリソースパワーで、普通のコントロールはお陀仏。 同名カードをまとめて破壊する《墳墓》、 全体火力を撃てる《DEATH・ドラゲリオン》あたりが刺さると言えなくもないが、 熟練者であればプレイング(主に《サンライズ》)でいかようにも対処できる。

《ボルシャック・NEX》本体もさることながら、 リクルート先として強すぎるためにトライアルディビジョンでも出禁をくらった《ブレイブ・ルピア》、 リソースを失わない上に擬似破壊耐性もついて、軽減を入れれば究極進化速攻もできてしまう《サンライズ・NEX》がヤバいカードとして認識されている。

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12弾デッキの【キリコ】【Bロマ】は、【NEX】と比べたときに安定感がないためわずかに遅れを取っている。 動きが豪快な新デッキなので人気はあるが、勝つことを優先するなら他のデッキを握るのが無難である。

ただし、これらも回れば5ターン目に勝負がつくデッキタイプ。 間違いなく環境のインフレを助長している。

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NDで【NEX】に対抗しうるデッキとしてメジャーなのは、【赤青剣誠】と【デイガナイト】の2つ。 展開される前に《剣誠》でゲームを終わらせに行くか、 素早い《バレバイ》《デュアザン》で妨害に走るかの選択肢だ。

この2デッキが【NEX】と違うのは、メタを張られうる点である。 【剣誠】は、《獅子幻獣砲》や《ギフト》《メタル》、《アレクセイ》などのメタカードがとても良く刺さる。 【ナイト】は、リソースの細さゆえ純粋なコントロールには競り負けるほか、マッドネス搭載の【バルガライゾウ】なども御しがたい。 この2デッキ同士も、【剣誠】側は《ラネーバ》、【ナイト】側は《獅子幻獣砲》を積んでメタり合うことができる。 弱点の少ない【NEX】は高みの見物だ。

【デイガナイト】の最近の傾向として、《HDM》を減らして《シーザー》《HELL》ルートを太く取るのが流行りだ。 【NEX】の展開に対して早めに《HELL》をぶち込んで勝負を突きつけたり、【剣誠】に対して《獅子幻獣砲》を使い回したりできる。 【デイガナイト】にとって気になるリソース事情は、

  • マイナス面
    • ヘヴィメタル》のリンク時ドローがない
    • 手札の消費が少なくて済むゴッドカードを失った
  • プラス面
    • 10マナを目指す必要がなくなった
    • 空いたスペースに呪文を入れれば《アヴァ公》の回収率が上がる

という要素が打ち消し合って、ほぼ変わっていないと思われる。

また、【武者】も密かに注目されているデッキタイプである。 除去性能だけに注目すれば、《武者》は《剣誠》よりも多く火力を撃てるのが特長だ。 《NEX》の展開に火力を間に合わせながら、シールドを刻んで《スパーク》を踏みに行く立ち回りが強力。

ただ、小型バードが【ナイト】の《デュアザン》に弱かったり、 素のパワーで負けている《剣誠》になすすべが無かったりと、【NEX】以外のデッキにはさほど有利ではない。

環境終盤に開催された「ささぼーcup」では、「カウンターサードニクス」こと【5cアルバトロス】的なデッキが多少流行。 【青黒究極リーフ】とともに、今環境の「裏環境デッキ」となった。

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対処の難しいデッキたち

今期は、【NEX】【キリコ】【赤青剣誠】【Bロマノフ】が大いに活躍した弾だった。

過去にデザイナーズデッキが顕著に強かったのは、7弾環境のときである。 そこにいたデッキは、【ブリザード】【ツヴァイ】【メカオー】【アポロヌス】。 特色こそ違うが、どれも最終的には「数で押し切る」というシンプルな勝ち筋を目指す。

それらと比較すると、12弾のデザイナーズは相手に干渉できる要素が強い。 【NEX】は《ライジング》、【キリコ】は《サファイア》《エナスパ》、【剣誠】は6000火力と盾焼却、【Bロマ】はマッドネス無効のハンデス&全体除去。 対応力が高いため、相手取るのはかなり大変だ。

こういった強力なデザイナーズデッキに加えて、 環境では泥沼必至の【デイガナイト】【トリガーHDM】まで意識しなければならない。 デッキビルダーにとってはかなり辛い環境だった。

環境に屈することなかれ

デザイナーズ環境でつまらないという意見が出ていた今期だが、 安易にそういう考えで固めてしまうのはマズい。

まず、プレイングの要素が消えたわけではない。

【NEX】は選択肢の幅が広いという点では良いデッキである。 【キリコ】はマナ加速やガチャで事故ったときの判断が難しいし、【赤青剣誠】も小型をどう扱うかでプレイングに差が出る。 デッキを「既にあるもの」と割り切って、ボードゲーム的な楽しみ方をするなら悪くない。

次に、「デザイナーズ環境だ」と思考停止すると、隠された可能性が見えなくなってしまう。

ここ最近だとSPルールの「二文明限定戦」や「スタートチャージ5」がそうで、 ちょっと様子が分かったら早々に見切りをつけてしまう人が多かった。 その一方で、独自のデッキを編み出して楽しんでいるプレイヤーは確かにいた。

新規デザイナーズが強かった今環境でも、【武者】がメタデッキとして注目されたし、 『青黒ブリムデスドラ』『5cアルバトロス&サードニクス』『ガッツンダー入りコントロール』などの環境に一矢報いるマイナーデッキがいくつか世に出てきた。 たとえ困難に見えても、もがいてみる価値はあることを教えてくれている。

そして、「つまらない」という言そのものが、そういう空気を作り出してしまう。

ソシャゲというのは恐ろしいもので、TwitterYoutubeのコメント欄などでの何気ない発言が、 その界隈の雰囲気を形成していく。 あまりにネガティブな内容が飛び交っていると、ユーザー数の減少に繋がる可能性がある。 もちろんどう喋ろうと個人の勝手なのだが、そういう事象が起こりうるということだけは頭に入れておいてほしい。 ボクはこのゲームを長く遊びたいから。

他方、そういう意見をしっかり発信しないと運営に不満が届かないという面もあるんだけど……。

3/23追記:バランス調整

22/3/24の13弾リリースの際に、《モノノフ・ルピア》《ブレイブ・ルピア》《薔薇の使者》がナーフされることになった。 それぞれ【赤青剣誠】【NEX】【キリコ】の強さを支えていたデッキエンジンである。

dmps.takaratomy.co.jp

《モノノフ》《ブレイブ》は、4コスト(※しばしばそれ以下)で切り札サーチ&自身で2打点生成するサポートカードだった。 リソースを枯らさずに安定かつ高速な打点生成ができるこの2枚は、《剣誠》《NEX》よりもやらかしていた。 ナーフによって、この2デッキは ただ、どちらも2箇所弱体化しているのはちょっとやりすぎな気がする。

同時に、高速《キリコ》に最も貢献していた《薔薇の使者》のコストが1増加。 まあまあの引きで5t、ぶん回りで4tだった《キリコ》は、召喚が1ターン遅くなる。 環境全体が遅くなるのに合わせて、【キリコ】の速度も落とされた形だ。

5キルが当たり前だった高速環境は、これによって低速化するだろう。

咎めなしだったのは、【黒緑Bロマ】や【デイガナイト】。 特に【ナイト】は呪文主体のデッキゆえ、13弾の超次元ギミックの相性は抜群。 新弾のオリジンマッドネスが僅かな懸念点だが、引き続きかなり暴れるような気がする。

参考

もうこの辺だけ見とけば良いんじゃないかなって気すらする。

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