デッキレシピ
- コンセプト:A
- 完成度:S
- デッキパワー:A+
- 思い入れ:S
やりたいこと全てを詰め込んだ。
- 色バランスは、青14, 緑13
- 《守護と偶然の象徴》でドローできるカード、24枚
- 《霊王機トリファリオン》の効果対象、19枚
今回のコンセプトの下、それぞれの枚数を極限まで増やした。
2021/5/17, スペル・デル・フィンカップADのマスター到達。 初めて握った【天門】デッキがこれでいいのか。
構築自体はNDのカードのみで可能。 ランクマ向きでは無いと思うけど、楽しいので是非。
追記:
現在は《アガピトス》が弱体化している。 《ウルコス》を出せなくなったため、コンセプトから見直しが必要。 代替案は《セフィア・パルテノン》。
キーカード解説
《聖帝エルサル・バルティス》
5-7000, W・ブレイカー。 相手がトリガーを使った時、自分の山札からトリガー呪文を1枚タダで唱える。 紙の頃から変わったのは、コストが1減ったのと、レアリティがSR→VRに降格した点のみ。 素材の味を噛みしめよう。
メインカードではあるが、腐る状況もあるので今回は3積みにした。
能力は一見使い辛いが、やってみると
- 除去呪文を撃って、ブロッカーを消して殴り数をキープ
- 防御呪文を撃って、返しの負けを防ぐ
- ドロー呪文を撃って、尽きかけたリソースを回復する
のような良い働きをしてくれる。 使った感じ、一定の有利状況を作ったときに詰めのカードとして運用するのが安定する。
しかしながら、アーク・セラフィムというクリーチャー展開がメインのデッキに呪文を入れなければならないという、 矛盾したデザインをしているカードである。 しかも、相手がトリガーを使わなければ準バニラ。 コストに対するパワーも、さほど高くない。
使いやすさで言えば、同期の《聖帝ソルダリオス》の方が上である。
それと、意味不明にブロッカーが付いている。 攻撃役を務めることが多い進化クリーチャーには、あんまり要らない能力である。 《コメット・チャージャー》をはじめとする6000ラインに引っ掛からないだけマシだが、 《腐敗勇騎ガレック》などで簡単に破壊されてしまうのが悲しみポイント。 せっかく使うなら、ブロッカーがメリットになる構築をしたい。
《ヘブンズ・ゲート》
タダで撃ちたいトリガー呪文と言えば、やっぱり《ヘブンズ・ゲート》。
呪文というのは、プレイしても直接は勝ちに繋がりにくいカードタイプだ。 その中で、クリーチャーを展開できる《ヘブンズ》は、アグレッシブにゲームを進めていける貴重な呪文である。
アーク・セラフィムには、コスト7以上の大型ブロッカーは《聖霊提督セフィア・パルテノン》しかいない。 普通の【天門】デッキと比べ、踏み倒せるコストが小さいのが少し勿体無いような気もしてしまう。 しかし今回は、攻めにも使えるという《ヘブンズ》の特長を買って採用することにした。
《守護と偶然の象徴》
次に撃ちたい呪文としてピックアップしたのが、《守護と偶然の象徴》。
山札から4枚めくって、ブロッカーを全て手札に加えるトリガー付き呪文。 紙の頃は、複数ヒットしても1枚しか引けないというクソザコカードだった。 デュエプレ収録にあたって、順当な強化を受けたと言える。
これを使いたい理由は、《エルサル・バルティス》がブロッカーであることを活かせるから。 「進化」と「ブロッカー」の2能力はミスマッチなので、併せ持つカードは数が少ない(DMPP-08EX現在4種)。 《エルサル・バルティス》は、そのラインナップの中では比較的優秀なアタッカーである。
《象徴》の「デッキにブロッカーを多く積みたいが、ブロッカーばかり手札に持ってきても勝てない」というジレンマは、《エルサル・バルティス》が解決してくれる。
《霊王機トリファリオン》
《守護と偶然の象徴》を積むとなると、デッキ内はできるだけブロッカーを多くしなければならない。 今までの3枚との相性を考え、 「アーク・セラフィムで、ブロッカーで、コスト高めのカード」でカードプールを検索した結果、 《霊王機トリファリオン》が確定カードとして選ばれた。
どのみち、《霊騎幻獣ウルコス》のために緑は入れるつもりであった。 色合わせとしても丁度いいので、コイツの採用は必然。
《アガピトス》に一泡吹かせてやろう。
構築解説
さて、この時点で確定カードが4種15枚。それぞれ、
- 《エルサル・バルティス》→ トリガー呪文を積みたい
- 《ヘブンズ・ゲート》→ 大型のブロッカーを積みたい
- 《守護と偶然の象徴》→ ブロッカーを大量に積みたい
- 《トリファリオン》→ コスト5以下の指定種族をバラけさせつつ大量に積みたい
と、構築を強く縛るカードである。
これだけ要件があると、候補カードは自ずと絞られる。 カードを寄せ集めるだけでデッキが組み上がったので、構成はとても楽だった。
問題は、レシピの調整が全然効かないこと。 完成時点で「彼方立てれば此方が立たぬ」状態のため、 回してみた感触やメタゲームを考えて微調整するのが非常に難しかった。 苦心して調整した最終形がこれなので、構築面でやり残したことは無い。
以下、まだ紹介していないカードに対してコメント。
《霊王機エル・カイオウ》
4確。 《エルサル・バルティス》に進化できる上に、 《トリファリオン》の2ヒット率も上げられる。 しかもブロッカー。
なんて都合のいいカードなんだ。
《霊騎幻獣ウルコス》
4確。最強のブーストクリーチャー。 貴重なアタッカーでもある。
《剛勇王機フルメタル・レモン》
色合わせ兼保険のメカオー。 2枚が安定。
《護聖霊騎ケスト・リエス》
cip1ドローのブロッカー持ちセラフィム。 《トリファリオン》で出せて《アガピトス》で出せないカードその1。
非常に優秀なのだが、《象徴》とコストが被っていること、 《エル・カイオウ》より低パワーな殴れないブロッカーという点だけ残念。
他に入れるカードも見当たらなかったので4枚入っている。 なにか入れたいカードがあったら、まずこれを1枚減らす。
《封魔グレモリー》
非セラフィムの《トリファリオン》対象、かつブロッカーということで後から入れたカード。
一ミリも期待せずに採用したが、トリガーしたり青単色マナになったり《トリファリオン》に拾ってもらってチャンプブロックしたりと、 思わぬ活躍をしてくれた。 といっても、クリーチャーすら殴れず、《バルティス》の種にもならないため、2積みすることは無いと思う。
《霊騎アラク・カイ・バデス》
つえーカード。 《トリファリオン》が1ヒットだったとしても、出せたのがコイツなら万事オッケー。 《トリファリオン》で出せて《アガピトス》で出せないカードその2。
パワー+3000が雑に強い。《アガピトス》タップキルモードに入るときも便利である。 《ケスト・リエス》のパワーを上げて《パンダ》を殴り返したり、 《メツ》の2000火力から《ウルコス》を守ったりと、 明確な役割を持たせてパンプアップしに行くことも多かった。
ターン終了時アンタップにより、 《エルサル・バルティス》を起こしてブロッカーにできるのも評価が高い。
トリガー《スパーク》からの逆転負けを潰せるカードでもある。 《バルティス》からカウンターで撃った《ヘブンズ》で出せたら最高&最強。 《バルティス》と《バデス》の2枚により、 トリガーケア能力が飛び抜けて高いのがこのデッキの楽しい所だ。
直接アドバンテージになるカードではないので、手札が苦しい時には出したくないカード。 しかし、《トリファリオン》で引っ掛かってほしいのと、 《ヘブンズ》で出せるかもしれないので無理して4積みしている。
《連珠の精霊アガピトス》
やっぱりアガピマスターズなんだよね。
ここには《居合のアラゴナイト》がいないから許してほしい。
名誉のために、このカードから構築に入ったわけではないことは強くアピールしておく。 ただ、このデッキには光の3コストクリーチャーが既に入っている。 《ヘブンズ》で出す強いブロッカーも欲しいので、入れない理由は無い。
《トリファリオン》と《アガピトス》の出し順は難しい。 《アガピトス》は《トリファリオン》のアタリカードを引っこ抜いてしまうので、 可能なら《トリファリオン》から出したい。 しかし、先に《アガピトス》を立てておけば、 《トリファリオン》で引っ張ってきた3コストクリーチャーでタップキルできる可能性がある。 《ヘブンズ・ゲート》から出すときは、 両方を解決できる《トリファリオン》→《アガピトス》の順で出そう。
《ナチュラル・トラップ》
3枚目のトリガー呪文。 緑の確保と、除去呪文の役割を持っている。 4枚にするのもアリだが、《象徴》《トリファリオン》のヒット率を意識して3枚にしている。
ちなみに、《バルティス》で4枚目の《ナチュトラ》を撃ちたい瞬間は何度かあったが、 そうなった試合はどれも最終的に勝てた。4枚目の必要性は低そうである。
候補カード
惜しくも不採用となったカード、少し型を変えるなら入るかもしれないカードたちにコメント。
《ネオ・ブレイン》
後述。
《秘精機士マンモキャノン》
セラフィム&メカオーのブロッカーとして入れていた。 《ウルコス》が引けない時の実質ブーストの役割もあった。
しかし、軽減対象が《トリファリオン》《ウルコス》しかないので弱かった。 1500の殴れないブロッカーが出てきてもしょうもないし、《アガピトス》の探索もブレてしまう。
完璧に見えて色々噛み合わないカード。
《霊騎ジャムシール》
軽量セラフィムブロッカー。 必要だとすれば、《エリクシア》などのデカブツをタップするとき。 でもそんなシーンは無かった。
《芸術機甲サン・オブ・サンダー》
非セラフィムのブロッカーってだけ。
《キャプテン・ミリオンパーツ》
【テクノロジー】にワンチャン作るメカオー。 コイツを試しに2枚入れたら、《象徴》のドロー枚数が明らかに減った。 入れたところで勝てない相手には勝てなかったので、粛々とデッキから抜いた。
複数体並んだブロッカーを突破できるのは便利なのだが、 自分の《アガピトス》《バルティス》《バデス》たちがブロックできなくなるのが困りもの。
《超神星ヴィーナス・ラ・セイントマザー》
パワカ。ブロッカーでは無いので却下。 トリガーケアは《バルティス》が頑張ってくれるはず。
《フォトン・クロック》
《バルティス》専用に収録された呪文。 呪文の種類を3種類に抑えるという前提だと、 差し替えるなら《ナチュラル・トラップ》。 でも緑マナを失うわけにはいかないので却下。
《アポカリプス・デイ》
リセットボタン。入れるなら《ヴィーナス》とセット。
《アクアン》
カジュアルマッチで出会った【エルサル天門】に入っていた。 ボクの【阿吽マーシャル】がコンセプトブレイクされて泣いた。 ちなみにそのデッキには、《血風聖霊ザーディア》も入っていた。
このデッキも光のカードが36枚入っているので、ドロー枚数の期待値はだいぶ高い。 《象徴》《トリファリオン》を使うという制約が無ければ面白そうなカードである。
《守護と偶然の象徴》vs《ネオ・ブレイン》
《ネオ・ブレイン》は、《守護と偶然の象徴》と同じくトリガー付きで4コストドロー呪文。 《象徴》を使いたくて構築を始めた以上、 《象徴》のライバルとなり得るこのカードの存在は無視できない。
《象徴》を強化するために構築を頑張ったとしても、ブロッカーの枚数はせいぜい20枚ちょっと。 それなら、ドロー枚数がさほど変わらなくて、構築に依らず安定する《ネオ・ブレイン》の方が良さそうに見える。
しかし、《象徴》には「山札を多く掘り進めてブロッカーを持ってくる」という、 《ネオ・ブレイン》にはできない役割がある。 《ヘブンズ》が入っているこのデッキでは手札にブロッカーを溜め込むことが重要なので、 例えドロー枚数が同じになったとしても、《象徴》の方が良いことが多い。
また、《エルサル・バルティス》と併用するにあたっては、 《象徴》の「呪文を手札に加えない」という点がメリットになる。 《バルティス》視点だと呪文はなるべく山札にいてほしいため、 不用意に呪文をドローしなくて済む《象徴》はありがたい。
ささやかなデメリットとして、 デッキ内から《トリファリオン》のアタリのカードが減ってしまうというものがある。 《象徴》がこのデッキから引っこ抜くカードのうち、《トリファリオン》のアタリは13枚、ハズレは11枚。 そのため、《象徴》を撃つごとに《トリファリオン》のアタリの期待値がわずかに減る。
といっても、その効果は微々たるもの。 しかも、《象徴》で見たカードは山札の下に行くので、 その後に《バルティス》や《アガピトス》などの能力でデッキをシャッフルしない限りは、 その影響を受けることは無い。 それゆえ、このデメリットは大した問題にはならないだろう。
プレイング
総合
やりたいことをやるだけ。 《象徴》でドローして《ヘブンズ》で展開、 もしくは普通に《トリファリオン》《アガピトス》で展開する。
《エルサル・バルティス》は基本的に、並べた後の詰めのカードとして使う。 殴り切りの打点を揃え、相手にトリガー使用を強要しながら殴るのがベストムーブ。
ただし、《ウルコス》→《バルティス》が繋がるときや、 【除去コン】【アポロヌス】などが序盤にもたついているときなど、 トリガーでしか《バルティス》を処理できなそうなときは、単騎で突っ込むのもアリ。
普通の【天門】と同じく、シールドに《ヘブンズ》があるかどうかに勝敗が大きく左右される。 ただし《エル・カイオウ》《ケスト・リエス》が入っているので、 速攻~高速ミッドレンジに対しては普通の【天門】より安定して立ち回れる。
《キングダム・ゲオルグ》《アポカリプス・デイ》《アルグロス・クリューソス》など、 1枚で大量に盤面を処理するカードが苦手。
メタゲームでは
総合戦績は61-57(トス・回線落ち除く)。 これでマスターに行けるのだから、良い時代になったものだ。
有利対面は、素直に殴ってくる速攻や【パンダ】【驚天ビート】。 【赤白速攻】【パンダ】【驚天】には、《バルティス》のトリガーメタがよく刺さる。 加えて、純粋なリソース勝負で優位に立てる【4cアガピトス】も戦いやすい部類に入る。
不利対面は、【テクノロジー】【ツヴァイ】【ゲオアガピ天門】【カチュアサンダー】。 《トリファリオン》《アガピトス》連打からの《バルティス》という時間をかけた展開に強みがあるので、 それを許してくれないデッキは基本的に苦手。
今回はADのプラチナ帯で回したが、 特にこのデッキがADに向いているという訳ではない。 NDで【ティラノ・ドレイク】を使ってさっさとマスターに上がってしまったので、 仕方なくADで使っていたというだけだ。
ADでは【黒緑速攻】をカモにできるのが嬉しいが、苦手な【カチュアサンダー】がいるのは嬉しくない。 NDに多い【驚天ビート】に対しては、このデッキは戦いやすいほうである。 どちらかというと、このデッキはNDの方に適性があると思う。
対戦動画
おわりに
文明3つの組み合わせの中で、自分が一番好きなのはトリーヴァカラー(白青緑)である。 「相手への妨害が苦手な代わりに、自分がやりたいことに特化する」という特徴が、 自分の性格と噛み合っているからだ。
思えばデュエプレ始まって以来、ガチ環境でトリーヴァカラーのデッキを握ったのは初めてだ。 トリーヴァカラーは相手の動きを止めるのが苦手なので、メタゲームには絡みにくいカラーリングである。 デュエプレ史でトリーヴァカラーがで活躍したのは、 8弾環境前半のメタゲームにおける【トリーヴァパンダ】くらい。 その【トリーヴァパンダ】は「タッチ青」と呼んでいいくらい青が少ないので、 純粋なトリーヴァカラーとは言えないデッキだと個人的には思っている。
今回、しっかり「トリーヴァ」なデッキで戦えたのは楽しかった。
↑ これもタッチ赤のトリーヴァ……?