デッキレシピ
リース型
- コンセプト:A
- 完成度:A
- デッキパワー:S
- 思い入れ:B
累計200戦以上。途中から戦績を取り始めて、52勝50敗。 最終的にプラチナ2-1で断念。 本当はこっちでマスターに上がりたかったのだが……。
ちなみに、1回だけ同じコンセプトのミラーマッチが発生して驚いた。
白緑型
- コンセプト:C
- 完成度:S
- デッキパワー:S+
- 思い入れ:C
最後に行きついたのはテンプレ構築だった。 ちょっと試してリース型に還元するつもりが、使ったら瞬く間に勝ち数が稼げてしまった。
2020/11/8, 使い始めてから14勝6敗 + 1トスでマスター。 マッチングや手札の運に恵まれたこともあって、勝率7割。 悔しいがテンプレは強い。
《ブリザード》をランクマッチで使うのは今回が2回目。
リース型:構築解説
今回使ってみたいと思ったのが、前回マスター帯でのチューターソルフェニで大活躍してくれた《翔天妖精レチア》。
今は低コストブロッカーがとても少ない環境なので、序盤のアタッカーとして優秀。 破壊されたら、《ジオドラン》や《チューター》、フェニックスの進化速攻などに繋がるという素晴らしいカードだった。
その一方、相変わらず環境1軍の白ブリザードでは、《雪溶妖精シャーマン・メリッサ》の価値が上昇。
理由としては、
- 《進化の化身》のおかげで《ブリザード》の召喚回数が増え、《メリッサ》がマナから復活できる機会が増えたこと。
- 6弾実装の強力トリガー《地獄スクラッパー》や天門の《ザーディア》《バルホルス》の除去を食らってもアド損しにくいこと。
- ブリ側がツヴァイやウェーブ対策に積む《アポカリプス・デイ》とも相性が良いこと。
などがある。
《メリッサ》よりも強いステータスを持つ《レチア》が弱いはずが無い!という発想から、 《レチア》×《ブリザード》で少しひねった赤入りブリザードを作ってみることにした。
ちなみに赤ブリザードに関しては、こちらの記事の影響もあって5弾の頃から注目していたデッキでもあったりする。
今回採用した赤のカードは、《翔天妖精レチア》と《地獄スクラッパー》の2枚。
いずれも、現環境に適応した強みがあると見込んで投入した。 具体的には、環境デッキの中で、ブリザードが戦いにくい以下の4デッキを赤のカードで対策したい。
5c天門、アウゼスコン、ツヴァイ、赤白速攻
《翔天妖精レチア》の役割は、5~8枚目の《メリッサ》。 ↑で箇条書きした、《メリッサ》が強い理由と同じ強みを持っている。 相手の除去や自分の《アポカリプス・デイ》に強いことで、5c天門・アウゼスコンに対してしぶとく勝ち筋を残せる。
《地獄スクラッパー》は、ツヴァイ・赤白速攻、さらにミラーマッチへのメタカードとなる。 一般的な白ブリザードには、相手の場数を減らすカードが積まれていない。 赤白の1マナクリーチャーや殴り返し不可の《クック・ポロン》、《ツヴァイ》とその取り巻きは、ブリザード以上の打点生成速度を持つことがあるため、真っ向からの殴り合いだと負けてしまうことが多い。 そこで、小型をまとめて除去できる《スクラッパー》でそれらを対策する。
(レシピ再掲)
とりあえず《スパーク》4枚は確定。 《アポカリ》が来たけど結局無意味、《スパーク》なら普通に勝てていたという場面が多すぎたので、素直に積むことにした。
《スクラッパー》と《アポカリ》はこのレシピのコンセプトなのだが、 積みすぎるとスノーフェアリーの枠が無くなってしまって事故る。 本当はもっと積みたいと思いつつ、断腸の思いで2-2。
赤は6枚。このデッキ特有のメリットとして、赤が引けなくても、《コートニー》から《レチア》を出し、その《レチア》が破壊されることで赤マナが確保できるという面がある。 それが出来なそうな場合、1枚目に来た《レチア》はどこかのタイミングで埋める。
原案は、《スパーク》すら入れずに《火炎流星弾》を入れていた。 小型ブロッカーを出してくる相手にはハチャメチャに強かったが、今の主流は何といっても《ヘブンズ・ゲート》。 《バルホルス》1匹倒したところでどうにかなるわけもなく、無難に《スパーク》を積むことになった。
改めて見ると、せっかくの《レチア》入り構築のはずがだいぶ中途半端になっている。 《アポカリ》4枚、《スクラッパー》4枚とかのほうがコンセプトは綺麗に実現できる。
こんな具合で、リース型を微調整しながらランクマッチを続けていたのだが……。
リース型の弱点
事故る。これが全て。
《翔天妖精レチア》が多色であるということが、これほど枷になるとは思っていなかった。
まず、ブリザードの黄金パターンである「1tポレ 2tフェアリー 3tブリザードで3枚回収」に、手札の《レチア》を絡めることが出来ない。 それ以外にも、《レチア》が即マナにならないことがデメリットになる場面は多々あった。
泣く泣く《レチア》をタップインチャージしたせいで場数が増えなかったり、
次ターンの多色事故を恐れて《レチア》埋めターンエンドを迫られたり、
わざわざ《スクラッパー》を埋めて《レチア》を出したせいで回収枚数が減ったりと、
最初の動きが弱くなってしまうことが多かった。 リソース確保のために《レチア》を積んでいるのに、序盤の回収枚数や場数が減ってしまっては本末転倒というものだ。
また、《ブリザード》のブーストで多色が落ちうることもかなり面倒。 中盤以降、4~5ブーストの時に1~2枚埋まる分にはさほど問題ないのだが、序盤の2~3ブーストで1枚でも多色が落ちるのはかなりマズい。 速攻やミラー相手、および序盤に少しでもシールドを削りたい天門相手に、序盤の展開が遅れるのは致命的だった。 もちろん、多色が埋まるとマナ計算が狂うのも嫌なところだ。これはソルフェニでの運用の時には無かった要素である。
リース型で回しているときは「まあこんなものだろう」と諦めて使っていたのだが、白緑型に切り替えてからリース型の事故がいかに厄介であるかを痛感することになった。
よく考えてみると、ソルフェニで《レチア》が強かったのは、主に除去コントロール相手のときである。 ブリザードが元から勝てる除去コンに対して、《レチア》でさらに勝率を上げるのはあまり意味が無かった。 先ほどから述べているように、《レチア》を入れると序盤の動きが弱くなる。 結局それで困るのは、主にブリザードが不利な相手(高速デッキ、天門系)だ。 勝てる相手にさらに勝てるようにするよりは、不利な相手に足掻けるようにしたほうが良いので、そういう観点では《レチア》をブリザードで使うのは向かなそうである。
ただ、《レチア》入りを完全に諦めるにはまだ早い。 構築やプレイングを詰めていけば、もうあといくらかは改善の余地があると信じている。 気が向いたらマスター帯でも調整したい。
白緑型へ
(レシピ再掲)
《レチア》のタップインブーストで対天門のデュエルを落としたことをきっかけに、《レチア》を抜いた構築を試すことを決意。テンプレだろうが知ったことか。
強いて一般的な構築と違う所を挙げるなら、《秋風妖精リップル》を2枚積んで、スノーフェアリーを増やしている所。 《レチア》で《ブリザード》が事故るのを何度も経験したので、少しでもスノーフェアリーを多く入れてぶんぶん回せるようにしたかった。
ブリザードの構築の悩ましい所は、デッキに入れるスノーフェアリーの枚数が《ブリザード》のカードパワーに直結してくることである。スノーフェアリーだけでは流石に勝てないので《スパーク》などのメタカードが必要になるが、メタカードを積みすぎると今度は《ブリザード》が弱くなる。個人的な趣向としては、相手への対策よりも自分のやりたいことを優先したいので、なるべくスノーフェアリーを多く積む構築にした。
白のカードで採用したのは、《ホーリー・スパーク》4枚と《アポカリプス・デイ》2枚。 ブリザードに白を入れる理由は、盤面全体に干渉できる《スパーク》《アポカリ》を使えるからだと考えている。 よく白ブリザードに入っている《予言者コロン》も強いが、1体処理のカードを入れるくらいなら《リップル》にしてデッキ回転率を上げた方がストレスなくプレイできる。 速攻・ビート系を対策するなら《予言者コロン》、コントロール系を対策するなら《アポカリ》を採用すると良いと思う。
若干白の枚数が足りなくなりがちだが、最悪《コートニー》でまかなえるので大丈夫。 リース型の時は、《レチア》から進化するのを嫌って《コートニー》の上に《ブリザード》を置いていたが、白緑型では主に《パルティア》から進化するので《コートニー》が場にいることが多くなった。
《レチア》の代わりに入ったカード、《神楽妖精パルティア》が強い。
長期戦になったとき、墓地の《ブリザード》や《スパーク》を拾ってくれるのが非常に強力。 山札切れを防止できるため、相手に殴り勝ちを強要して《スパーク》《アポカリ》を踏ませられる点も評価できる。 素のスペックが低いが、種にしてしまえば全然気にならない。
共通プレイング
2マナフェアリーの重要度(≒進化元にしてはいけない順)は、
- 対ビートダウン
- 《サエポヨ》>《メリッサ》《レチア》>《コートニー》>《パルティア》
- 対コントロール
- 《メリッサ》《レチア》>《コートニー》≧《サエポヨ》>《パルティア》
コントロール相手に《サエポヨ》を出すのは、《サエポヨ》+1体で《スクラッパー》のケアが出来るとき。 それ以外のコントロール対面は、基本的に《ブリザード》の種にする。
基本的にはガツガツ殴って構わない。 が、1t後に確実に殴り切れるだけの打点があるなら、殴る数を調整する。
一応、3t目《ブリザード》召喚を目標にプレイするが、3t《ブリザード》は殴り手の数を増やせないことに注意。 本命は4t《進化の化身》からの5t《ブリザード》進化速攻となる。
基本的に、スノーフェアリーを2体以上回収できないなら、《ブリザード》を出さない。 特に進化速攻でない場合は絶対出さない。
1ターンに2体《ブリザード》を出す場合、2体目は手札上限枚数に引っ掛かって思ったよりマナ回復ができないことがある。注意。
個別プレイング
デッキタイプの横は、「リース型勝ち数-負け数 / 白緑型勝ち数-負け数」。 内訳詳細は、リース型が戦った相手のみ。
赤白速攻 3-4 / 0-0
五分?
《スクラッパー》を踏ませれば楽勝。 そうでない場合、先攻を取れるかどうか、《ポレゴン》を出せるかどうかが勝負の分け目。
《サエポヨ》が重要かと思いきや、《ピアラ・ハート》で破壊されうるので実は危険。 高パワーは《ザック・ランバー》《ブルレイザー》くらいしかいないので、そいつらは《ブリザード》を1体出せば十分殴り潰せる。
後から出てくる《スパーク》が面倒なのと、打点が足りなくなることが多いのでどんどん割りに行っていい。 最近は《紅風の盗賊ビューラー》もいるので、相手の手札を増やすのも意外と大事だったりする。 《アポカリ》入りの割合も多いので、トドメを刺しに行くときは不用意にクリーチャーを出さない。
ブリザード 6-10 / 1-1
五分のはず。
負け越している時点で《スクラッパー》入りのメリットがあまりない。 《ブリザード》のブーストで《レチア》が落ちて打点が足りなくなる事案が多数。
とりあえず、《ブリザード》を殴り返せる《サエポヨ》が超重要。
微妙に型が違うとはいえ、これだけ負け越しているのは、自分のプレイングが上手くないからだと思う。 相手も《ブリザード》で手札が潤うのだから、序盤から殴った方が良いと思っていた。 が、負け試合を振り返ると、いつの間にか盤面数で押し切られていることが多い。 《進化の化身》を出された回数も意外と多いかも。盤面を溜める意識が大事?
- 白 5-8
- リース 1-0
- トリーヴァ 0-2
ツヴァイランサー 2-10 / 0-2
不利。
《スクラッパー》が刺さると思っていたのだが、《ツヴァイ》を2体並べてケアプレイングを取ってくる相手が多くてまともに機能しなかった。
勝てるビジョンが見えない。プレイングでどうにかなるのだろうか……? せめてトリガー《スパーク》が来れば捲れるよう、返しで《ツヴァイ》が出てこなそうな2~3ターン目は殴っていた。 ブロッカーで相討ちになる場合でも殴っていたのだが、これが間違いだったりするのか。
- 青単or白 2-8
- ドロマー 0-2
デスフェニ 2-0 / 2-0
有利。
物量で押し切ればOK。 ワンパン《スクラッパー》や3枚トリガーでもなんとか勝てたので、特に言うことは無い。
カチュア 5-4 / 1-0
五分。
流行り始めは初見殺し的なプレイをされてブリザード側が刈られていたと思うが、 相手の手の内が分かっていればプレイングでカバー可能。 ただ、ぶん回されたらどうやっても勝てないので、ある程度は諦めが必要。
4マナで《マイキーのペンチ》が出てきたら、次のターンの《幻想妖精カチュア》を警戒して殴らない。 《カチュア》で出てくる怖いドラゴンは、《緑神龍ダクマバルガロウ》《神滅竜騎ガルザーク》《ヘリオス・ティガ・ドラゴン》など。 特に《ガルザーク》《ヘリオス》に《ブリザード》の殴り返しを許すと、こちらの場が壊滅してしまう。 次ターンに《カチュア》を殴り返すため、《ブリザード》《進化の化身》が場に残るようなプレイングを意識。
《カチュア》が出てきても何もしないなら、こちらも場数を溜めてから殴る。 《カチュア》が出てこなそうなら、どんどん殴る。
5マナ以上の状態で《ペンチ》が出てきたら、次ターンは《根絶のデクロワゾー》の可能性があるため殴った方が良い。
《ヘリオス》《デクロワゾー》は、《ブリザード》・場の《進化の化身》の他に、パワーアップした《サエポヨ》も耐えることが出来る。
天門 4-7 / 3-1
不利。
なるべくノートリガーの貫通を狙う。 貫通できない場合も、可能な限りシールドを削ってから、2~3体並べての《スパーク》に賭ける。
……という方針でずっとプレイしていたのだが、実は殴りまくるのが裏目になることもある。 こういうような状況があるからである(この試合では、ブリザード側がブレイクしたシールドから《ザーディア》が出てきて、次ターンの《ヘブンズ》で壊滅)。
皆さんはランクマでこの場面に遭遇したら何パンしますか?
— アリス・ペペロンチーノ@デュエプレ (@59iT7mvZS1UhAG6) 2020年9月13日
仮に殴らなければ次のターンブリザードが勝っていた訳なんですが、神の目線の結果論な訳で…
じゃあ何パンがベストなのかなぁと。 pic.twitter.com/bSWIMF7Rxk
だが、基本的には、《ヘブンズ》までのターンに天門側がブロッカーを引き込んでいる可能性は非常に高い。 また、この試合は5弾環境、《ボルバルザーク》弱体化前である。 6弾環境の今は、《進化の化身》のおかげで場を立て直しやすいこと、10ターン目《ボルバル》で敗北する可能性が大幅に下がったことから、《スパーク》を待つプレイングがしやすくなっている。
これに、マスターランクに行くまでのプレイング単純化という意味も込めて、私はこの状況でもシールドを割れるだけ割りに行くと思う。
ただし、もし本気でマスター上位や大会入賞を狙うなら、 天門とビートダウンの両方を握りながら、こういう状況のケーススタディをしていくべきかもしれない。
- 5c天門 2-2
- 4c天門 2-5
アウゼス 4-7 / 5-1
不利。
白緑型は、本来不利なはずの天門・アウゼスに大きく勝ち越せたことでマスターに楽々到達できた。 その理由は、やはり序盤の事故が少ないことでシールドを削りやすかったから。
天門同様、ノートリガーでの貫通、および削ってからの《スパーク》突破を狙う。
《ピカリエ》が出てきて、かつこちらに《メリッサ》と《ブリザード》が両方いる場合、《メリッサ》でシールドを割りに行く。《メリッサ》がブロックされたら《ブリザード》で《ピカリエ》を殴る。こうすると、シールドを1枚多く削るか、もしくは次ターンのシンパシー《アウゼス》降臨を阻止できる。
基本的に序盤から《メリッサ》を優先して出していたが、《ピカリエ》の存在を考えると《サエポヨ》を出す方がいいかも。
天門と比べると、《ピカリエ》《ヴォイジャー》で相手の場が増えやすいので、《アポカリ》を撃ち込みやすい。 ドロソも少なめのため、その後立て直される確率も低い。
- デイガ 4-7
- 白黒 2-0
ドルバロム 5-2 / 0-0
有利。
どかどか殴りまくる。 トリガーを踏みまくっているところに高速ブーストされると負ける。 9マナ溜まった時点で半分アウトなので、除去サファイアより危険度が高い。
《コートニー》を出しておけば、《ドルバロム》を出されてもマナがふっとぶのを防げる。 負けた2試合はこれを忘れていた。勝った5試合はそもそも《ドルバロム》を出されなかった。
- 青黒バロム wwlwl
- 3cバロム w
- ターボバロム w
除去サファイア 8-3 / 1-0
有利。
殴るだけでいいのでそんなに難しくない。 こちらが事故ったり、激強トリガーで足止めを食らったりしているところに《エクストリーム・クロウラー》を立てられると負けうる。
- クローシス 8-3
- 5c 0-1
- ターボ 1-0
その他
おわりに
普段私が投稿しているデッキも、このリースブリザードのような感じで、カード相性・環境への噛み合いなどを考えながら構築している。 しかしながら、そういったシナジーを入れない構築の方が強いこともあるということが、今回分かりやすい形で示されたと思う。
美しい構築が強いとは限らない。私は割と美しさに満足してしまうタチなのだが、デッキの強さをさらに追い求めるなら、テンプレに手を染めたり、純粋なパワーカードを詰め込んだり、斬新なカードを入れたりしてみると良い。