ミケガモのブログ

デュエプレ DMPP-03環境考察

はじめに

  • あくまで私個人の視点である。
  • ガルザークカップでは瞬間レジェンドを達成できたが、あくまでプラチナ~マスターレベルの環境だということを承知いただきたい。
  • デッキレシピはTwitterの投稿から引用させていただいた。削除希望にも対応するので、何かあればコメントまで。

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考察

DMPP-03環境は波乱の幕開けだった。

多くのプレイヤーが予想していた通り、環境初期には魔改造を受けた《ダイヤモンド・ブリザード》が圧倒的なカードパワーで猛威を振るった。

f:id:mikegamo:20200422202342j:plain マナコストも手札も減らず、現環境の速攻にあるまじきパワー5000。 墓地からの回収もできるため、ハンデスやタップキルなどで崩された後のリカバリーも容易… というか、マナが増えるため下手なハンデスや除去は逆効果。DMPP-03で追加された《冒険妖精ポレゴン》《愛嬌妖精サエポヨ》が非常に強力だったのもいけなかった。

公式発表によると、ランクマッチでの《ブリザード》の使用率は25%, 勝率が55%*1

dmps.takaratomy.co.jp

バランス調整だけは神と言われたデュエプレ調整班の対応は早かった。リリースからわずか1週間で弱体化が決定し、その1週間後に弱体化の調整が入った。

墓地利用が可能だった弱体化前特有の構築には、

  • 墓地肥やしで爆発力を高めた黒ブリザード
  • 墓地肥やしに《エマージェンシー・タイフーン》を使って、ついでに《緑神龍アーク・デラセルナ》を突っ込んだエマタイ入りブリザード

などがあった。

ただし、弱体化後も依然として強力なデッキであることに変わりはない。 特に序盤の動きはほとんど変わらないため、速攻に寄せた青緑ブリザードは依然として環境トップにいる。

《アストラル・リーフ》を搭載し、大量のドローとバウンスで押し切るリーフ型、 《レベリオン・クワキリ》のパワーで攻めていくクワキリ型の2種類がいる。

f:id:mikegamo:20200620211412j:plain https://twitter.com/shoonenhei/status/1270556243355037696?s=20

f:id:mikegamo:20200620211422j:plain https://twitter.com/ballom_kanato/status/1264844777217916928?s=20

もちろん、みんながみんなブリザードを使っていたわけでもない。 弱体化前から、ブリザードに対抗できるだけの強みを持ったデッキが環境に出てきていた。

まず、速さでブリザードに対抗できる赤緑速攻

DMPP-02でも形にはなっていたが、《無頼勇騎ゴンタ》《冒険妖精ポレゴン》《愛嬌妖精サエポヨ》らの1~2マナクリーチャーが充実したことでスピードがぐんと増し、一回り強くなって環境に食い込んだ。 現環境では《聖天使グライス・メジキューラ》を潰すため、《ボルカニック・アロー》が必須となる。 f:id:mikegamo:20200611230150j:plain

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次に、これらの速攻を真正面から受けるドロマーイニシエート。 もとより抱えていた《鎮圧の使徒サリエス》《聖天使クラウゼ・バルキューラ》に加え、DMPP-03で《電脳聖者タージマル》《電脳聖者エストール》《聖天使グライス・メジキューラ》を獲得。 特に2マナにしてパワー5500、ノーコストで攻撃を1回中止させる《グライス・メジキューラ》は、速攻キラーとして活躍した。 多色カードのおかげで、《アクアン》のドロー枚数が安定するようになったのも大きい。 フィニッシュの安定感を出すために、《クラウゼ》の代わりに《陽炎の守護者ブルー・メルキス》を積む似非イニシエートもいる。 f:id:mikegamo:20200610182412j:plain

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そして、新規収録の《神滅竜騎ガルザーク》《無双竜機ドルザーク》のカードパワーでゴリ押しするドラゴン。 主に、強いドラゴンをぎっちり詰め込んだ3cドラゴン、エマタイデラセルナや《アクア・サーファー》でトリガーを厚くした4cドラゴンの2種類が環境で暴れた。

《コッコ・ルピア》→《ドルザーク》→《ガルザーク》と繋げば、パワー5000以下を2体どかしながら5キルが可能である。 特に、小さいテキストでこれでもかと効果を詰め込まれた《ガルザーク》の強さは凄まじい。ブロッカーな上に攻撃で自爆できる《黒神ゾルヴェール》、ターン終了時にドラゴンを殺す《幻想妖精カチュア》など、カード同士のシナジーも強い。 手札1枚のウェイトが重いドラゴンはハンデスに弱いのだが、それは《緑神龍アーク・デラセルナ》や《ゾルヴェール》である程度ケアが可能。終盤まで長引けば、《無双竜機ボルバルザーク》が出てくる。全方面に対して隙の無いパワーデッキに仕上がった。

メインの《ガルザーク》は確実に4積みすべきだが、サイドカードには《龍の呼び声》《カチュア》《超竜バジュラ》など、少しのバリエーションがある。

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f:id:mikegamo:20200620211706j:plain https://twitter.com/dmsstcs/status/1269451808646197248?s=20

最後に、ブリザード弱体化後にボルバル系デッキが満を持して環境に入ってくる。 ここより前に紹介してきたのはどれも初期ブリザードとも(一応)渡り合えるデッキだったが、ボルバルは環境が低速化したことでようやくメタゲームで暴れ始めた。

比較的初期から存在していたのが、光のブロッカーで盤面制圧して持久戦にする白黒ボルバル。《ピカリエ》《二角》などを絡めたグッドスタッフデッキであるため、構築が練りやすくかつ多くのデッキとバランスよく渡り合える。使用者も最も多い。 f:id:mikegamo:20200620211753j:plain https://twitter.com/MYmikan_1125/status/1273555150037118976?s=20

次いで、低~中速を相手にハンデスでグダグダの展開に持ち込む青黒ボルバルが出現。環境の低速化に合わせて出てきた、対コントロール用のボルバルである。ボルコンのようなテイストのものから、青黒ハンデスタッチボルバルと言うべき構築まで幅がある。 f:id:mikegamo:20200620211809j:plain https://twitter.com/usedbook0677/status/1268926692950564864?s=20

さらに、《予言者リク》《電脳聖者エストール》でシールドを追加しながらトリガーで10ターン耐えきるトリガーボルバルも出現。赤緑速攻やブリザードなどの速攻デッキに対しても比較的安全に立ち回れる。 f:id:mikegamo:20200620211939j:plain https://twitter.com/keityann_0417/status/1263716808047030272?s=20

ボルバルは「10ターン耐える」というプレイングさえできれば良いため、構築の自由度が非常に高い。 青黒バロムドロマーイニシエートといったデッキに、タッチで《ボルバルザーク》を入れるプレイヤーすらいた。 また環境入りと言うほどでも無いが、ボルバルデッキで一定以上の注目を浴びたカードとして

  • 常駐タップキルの《霊光の化身》
  • 打点補強の《剛撃聖霊エリクシア》
  • トリガーボルバルに挿す《黒神龍ブライゼナーガ》
  • 《デスモーリー》《マルドゥクス》を回す《覚醒のタンザナイト

などが挙げられる。

ボルバル系のデッキが出揃うと、環境は停滞。 出すだけで安全にゲームを〆られる《ボルバルザーク》は、多くのプレイヤーから好んで使われるようになった。 3c/4cドラゴンまで含めると、環境の実に7割近いデッキが《ボルバルザーク》を搭載していると思われる。 今の環境は間違いなくボルバルマスターズだ。

ただ実際のところは、《ボルバルザーク》で追加ターンを得る快感に惑わされているプレイヤーが少なくないと思う。 実際のメタゲームにおける勝率は、今の使用率に見合うほど高くないのではないか。 ちなみに私は、青緑ブリザードが環境最強デッキだと思っている。

リザード≧ドラゴン≧ボルバル、1ランク落ちて赤緑とイニシエートというのが私の最終的な見解である。

前弾の環境デッキは?

f:id:mikegamo:20200620212243j:plain リーフ系統のデッキはギリギリ生き残っている。 未だに赤リーフ、緑リーフ、白リーフは環境デッキと渡り合えるレベルだと思う。 ただ、速さは赤緑速攻に、パワーと展開力はブリザードに劣る。 速攻ミラーにおいては、《サエポヨ》《ゴンタ》の登場で《リーフ》が一方的に殴り殺されるのが厳しい。 今は《ブリザード》と共演するのが最も賢い選択に見える。

f:id:mikegamo:20200620212333j:plain 青黒バロムは、《傀儡将ボルギーズ》が赤緑・ブリザードに対してそれほど有効でないことから数を減らした。 今は《ガルザーク》《ゾルヴェール》に刺さらないのもイマイチ。 場を制圧する白黒ボルバルやイニシエートに対してはよく刺さると思う。 環境を読み切れば強い。

f:id:mikegamo:20200620212417j:plain クローシスボルコンは、「ロングゲームにして安全に勝つ」という強みをボルバルに奪われてしまった。 《ボル白》自体のカードパワーが通用しなくなったわけではない。今もなおドラゴンや、それこそボルバルに入っていることがある。

まとめ

DMPP-03環境は、前環境以上に「開発班によって整備された環境」の感が強まった。 《ブリザード》弱体化後のバランスそのものはよかったのだが、そこで活躍していたのはDMPP-03で改造された 《ブリザード》《ガルザーク》《ボルバルザーク》らだったためだ。 これらは、1枚プレイするだけで勝ちを大きく引き寄せるだけのカードパワーを持つ。

「こういったパワーカードを投げつけて勝つ」というゲーム性は、今までのデュエプレとは大きく異なるものだ。 爽快感を得たいプレイヤーにとっては嬉しい反面、繊細なプレイングが好きなプレイヤーは戸惑いを覚えたのではないか。 DMPP-04のカードはどちらかというと後者のプレイヤーに好まれるように見えるので、またゲームのあり方が変わるだろう。

*1:特定のランク帯では65%超え。おそらく、対抗できるパワーカードを所持している人が少ないブロンズ帯だろう