- はじめに
- フォントの日本語化
- Google Playおよび必須アプリの取得
- vivoアカウントを取得
- モバイル通信・VoLTE化
- アプリの通知・権限設定
- 邪魔なプリインストールアプリを無効化
- 左側面物理キーのリマップ
- その他
- おわりに
はじめに
vivo社のスマートフォン、iQOO Neo 855を購入した。 6GB/128GBで、価格は約31,000円だった(AliExpress、期間限定クーポン込み)。
ちなみに注文したのは4月初旬。新型コロナウイルスの影響でシンガポールポストに大幅な配送遅延が発生し、2ヶ月も待たされてしまった。それでも無事に届いただけマシで、梱包状態が劣悪だったり、そもそも品物が届かなかったりするケースも報告されている。今AliExpressで買い物をするのは絶対に勧めない。
話を戻そう。この端末はスペックに対して破格の安さなのだが、日本向けの端末ではない(いわゆる「大陸版」しかない)ために初期設定のハードルが高いとされている。さらに、Androidをベースにしたvivo独自OSの「Funtouch OS」は中々クセが強い。自分も色々調べて設定しなければならなかったので、その内容をこの記事にまとめた。設定方法はvivoの他の端末においてもおおよそ共通と思われるが、機種によって細かい部分が違うことがあるようなので注意。
初回起動時、言語「日本語」の選択と、Wi-Fi設定のみを済ませた状態を想定。 ここに書いてある順に設定をしていくとスムーズと思われる。
以降、特に注記が無い場合、端末の「設定」画面から項目を選択すること。
フォントの日本語化
ディスプレイと明るさ > フォントスタイル
から、「経典字体」を選択。
Google Playおよび必須アプリの取得
「v-app store」で「Google Play」を検索し、ダウンロード。 Googleアカウントでログイン。
普通のAndroidには入っているGoogle系のアプリは一切入っていないので、全て手作業でインストールしなければならない。とりあえずインストールすべきは、
- Google日本語入力
- Google Chrome
- Gmail
- Playゲーム
あたりか。
vivoアカウントを取得
vivo端末では、端末の権限管理にvivoアカウントが要る。 下記のランチャー固定の他にも、様々な場面で必要になってくる。 なので、vivoアカウントを早めに取得して、ログインしっぱなしにしておくのがよい。 2年ほど前はvivoアカウント取得にも一苦労だったようだが、今はメールアドレスさえあれば簡単にアカウントが作れる。
手順は以下の通り。
- インド版vivoサイトにアクセスし、メールアドレスでアカウントを作る。
- 「Send」を押し、送られてきた確認コードを打ち込んで登録。
- 中国のvivoサイトにてログイン。もう一度確認コードが送られてくるので、それでログイン。
- スマホで「設定」の一番上にあるvivoアカウントにログイン。
ランチャー固定
セキュリティーおよびプライバシー > その他のセキュリティ設定 > システムランチャーを置換
から、
- 「ランチャーの置換を許可」をオン
- 「ホームボタンをタップして、システムのホーム画面をロックしてください」をオフ
にする。ランチャーアプリをインストールし、デフォルトアプリに設定する。Nova Launcherであれば、アプリ内の設定からデフォルトアプリ設定が可能。
モバイル通信・VoLTE化
Vivo NEX SのVoLTE有効化手法の公開 | ガジェットファン
※ 2021/05/27 追記
本項で説明している操作を確認したところ、Quickshortcutmakerにて「VoLTE HD通話」を選ぶところからが上手く行かなかった。 現在、LTE通信は問題なくできている。
3G通信
SIMカードを端末に差す。
モバイルネットワーク > SIM1 > アクセスポイント名(APN)
で、自分のSIMカードのアクセスポイント名を選び、それ以外の全てを手作業で削除する*1。
これで、SIMカードで3G通信ができるようになる。
LTE通信のためには、ここから「VoLTE化」の設定をする必要がある。
LTE通信
まず、
システム管理>携帯電話について>バージョン情報
にて、「ソフトウェアバージョン」を連打し、開発者オプションを有効化する。
次に、GooglePlayから、アプリ「Quickshortcutmaker」をインストールする。Quickshortcutmakerを起動したら、
- 検索ウィンドウに「volte」と入力&検索
- 「携帯電話 > VoLTE HD通話」を選択 3.「起動」→「VoLTE HD通話」を有効化する
- 「モバイルネットワーク > SIM1」にて、「VoLTE HD通話」がオンになっていることを確認
と操作する。 おそらくこの時点で、LTE通信が可能になる(左上の表示が「4G」に変わる)。以降は電話をLTE化するための作業となる。
VoLTE通話
1. スマートフォンでの作業
- 電話で「*#558#」にかける。すると、開発者用の隠しメニューが開く。
- 「Quality verification test > developmentタブ」から、「Debugging port」「Keeping screen bright」の2つにチェックを入れる。なお、5G対応のvivo端末では1つめの代わりに「Debugging port 5G」にチェックを入れるらしい。
2. PCでの作業
QPSTツールとそのドライバをダウンロードする。 ドライバは、自分の機種に対応したものを入手する。機種の詳しい型番は「マイデバイス」から確認できる。 自分は「Vivo iQOO Neo 855 V1936A」をダウンロードした。
- QPST(Latestを選ぶ):https://gadget.hrksv.com/2018/10/06/post-17746
- ドライバ:https://gsmusbdriver.com/category/vivo
3. スマホとPCをケーブルで繋いで作業
- QPSTツールのインストールフォルダにある「PDC.exe」を起動する。
- プルダウンメニューからデバイスを選択する。
- 「ROW_Commercial」をDeactivateし、その後Removeする。
- 「Volte_Commercial-Vodafone(※)」を右クリックし、「SetSelectedConfig > Sub0, Sub1」を選択する。それぞれ表示が「Pending」に変わったら、画面の「Activate」を選択。「Pending」が「Activate」に変わったら完了。
- 左上の表示が、ただの「4G」から「4GHD」などに変わっていれば成功。
注意:(※)で選ぶ項目はSIMの通信会社によって変わるらしい。IIJmio(ドコモ系)の自分はこれで設定できた。
ただし、通話のVoLTE化は端末アップデートのたびにリセットされてしまうようである。 自分も、システムアップデートなどの設定をしていたらいつの間にか元に戻っていた。 幸い普通のLTE通信の設定はリセットされないので、VoLTE通話に拘らないなら放置で良い。
アプリの通知・権限設定
Gmail, LINEなどの通知が来なかったり、常駐アプリがタスクキルされたりするケースがある。 そういう場合には、アプリの権限関連を片っ端から全てオンにしてやるのが効果的である。
設定項目は次の通り。他にもあるかも。
- アプリ内の通知・常駐関連の設定を確認
- 「アプリケーションと権限 > アプリマネージャー > (アプリ名)」から、
- 「> 通知」を選んで項目を可能な限りオン
- 「> 権限 > 単一の権限設定」を選んで全ての項目をオン(自動起動などが含まれる)
- 「バッテリー > バックグラウンドの高電力消費」から、該当アプリをオン
- (一部のアプリのみ)「ショートカットとユーザー補助機能 > アクセス可能」に該当アプリがあればオン
これらとは別に、ウルトラゲームモードをオフにするのも効果的らしい。
邪魔なプリインストールアプリを無効化
vivo端末には、日本では馴染みの無いアプリがプリインストールされている。設定のたびにそれらが目に入るのは微妙に気になる。仮にそれを我慢するとしても、Chromeではなくvivoブラウザが起動したり、アプリDLのURLに対してPlayストアでなくv-appstoreが起動したりするのはかなり鬱陶しい。
こういった問題は、該当アプリを無効化することで解決できる。具体的には、PCとスマホを接続し、PCで「ADBコマンド」を打つことによって、スマホの内部設定を書き換える。
1. ADBコマンドのインストール
ADBコマンドをPCにインストールする。インストーラーは↓からダウンロード。
Windowsの「システムの詳細設定 > 環境変数」から、ADB.exeのあるフォルダにパスを通す*2。
2. PCでの作業
スマホ設定の「システム管理 > 開発者用オプション」から、「開発者用オプション」をオン、「USBデバッグ」をオン。
3. スマホとPCをケーブルで繋いで作業
PCで、Powershellもしくはコマンドプロンプトを起動。
adb devices
と打ち、スマホがPCに認識されているかどうかを確認。その後、
adb shell pm list packages -s
で、インストールされているパッケージの一覧を表示。
adb shell pm disable-user パッケージ名
で、そのパッケージを無効化。
その他、よく使うコマンドはこちら。
adb shell pm list packages -e (有効なパッケージのリスト)
adb shell pm list packages -d (無効なパッケージのリスト)
adb shell pm enable パッケージ名 (パッケージ有効化)
パッケージとアプリの対応はこちら。
#iQOOneo3 無効化アプリリスト更新。https://t.co/AE2vZGLQix.abeを無効にすると「バックグラウンドの高電力消費:が使えなくなるので残すへ変更など、一部見直しました。 pic.twitter.com/D46iD7Sihc
— Mobi𝕏 (@x660tw) 2020年6月9日
無効化していいアプリは沢山あるようだが、私は特に目についた以下のアプリだけを無効化している。(2020/07/22更新)
パッケージ | 機能 | 備考 |
---|---|---|
com.bbk.appstore | V-Appstore | |
com.bbk.cloud | vivoCloud | |
com.vivo.agent | Joviボイス | Remapper |
com.vivo.aiengine | AI関連? | Remapper |
com.vivo.aiservice | AIService | Remapper |
com.vivo.appfilter | ? | |
com.vivo.assistant | Jovi | Remapper |
com.vivo.browser | ブラウザ | |
com.vivo.bsptest | ? | Remapper※ |
com.vivo.contentcatcher | ? | Remapper※ |
com.vivo.doubleinstance | ? | Remapper※ |
com.vivo.doubletimezoneclock | ? | Remapper※ |
com.vivo.dream.clock | ? | Remapper※ |
com.vivo.dream.music | ? | Remapper※ |
com.vivo.easyshare | ? | Remapper※ |
com.vivo.favorite | ? | Remapper※ |
com.vivo.findphone | ? | Remapper※ |
com.vivo.fuelsummary | ? | Remapper※ |
com.vivo.globalsearch | グローバル検索 | |
com.vivo.vtouch | Vtouch | |
com.vivo.wallet | vivo決済 |
ちなみに、「マイデバイス > 事前インストール済みアプリのリスト」によれば、https://www.vivo.com/preloaded-appにプリインストールアプリのリストが載っているそうなのだが、このURLにアクセスすると404エラーになる。
左側面物理キーのリマップ
Neo 855は、本体左側面に物理キーがついている。 この物理キーは、デフォルトではJoviシステムの起動に割り当てられている。 Joviは中国ユーザー向けのサービスなので、日本で利用したい人は少ないだろう。
私は「Remapper」というアプリを使って、この物理キーに任意の機能を割り当てている。このアプリは、通常時・画面ロック時に対して別々に、ボタンの機能割り当てをしてくれる。
ただし、vivo端末とアプリの相性のためか、ボタンをどんなに短く押しても「長押し」の判定になってしまう仕様である。そのため、「長押し」の項目に“短押しで使いたい機能”を設定する必要がある。関連して、アプリ内の 設定>長押し検知時間 を短く設定しておくと、短押し(項目は「長押し」)のレスポンスが早くなる。
アプリインストール後は、ユーザー補助機能の有効化と、電池の最適化設定の無効化が必要。 これらはアプリ内の「アプリタブ > システム設定」から設定することができる。
機能割り当てのためには、Jovi関連のパッケージを無効化する必要がある。前節の無効化パッケージの表において、Remapperアプリのために無効化必須と思われるものには「Remapper」、念のため無効化しているものには「Remapper※」と記している。
※付きのパッケージのうち、いずれかがRemapperのユーザー補助許可を自動的にオフにしてしまうという悪さをすることが分かっている。どのパッケージが原因なのかは特定していない(検証が面倒なので…)。
その他
- ショートカットセンター(画面下からスワイプ)をアプリ起動時にも有効にする
- 「設定>システム管理>ショートカットセンター>アプリのインターフェイスに表示するをオン」。
- 画面オフ時に音量小ボタンを長押ししてライトのオン/オフするなどの機能を使う
おわりに
設定項目を調べるにあたり、vivo総合スレッドを多大に参考にした。
一通り設定を終えると、とても快適に使えるようになった。 ただ私はあまりスマホに詳しくないので(root化もやったことがない)、見落としている設定項目があるかもしれない。 新たな設定が見つかったら、そのたびに記事に追記する予定。